PoE(PoE+)スイッチで極上のIoTソリューションを実現
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LANケーブルを通して電力を供給する技術であるPoE。この機能を持つPoEスイッチを使用することで、ソリューションの幅がぐんと広がります。今回は、PoEについての基本やPoE+やPoE++との違い、またPoEスイッチの使用メリットまでご説明いたします。実際の活用事例もご紹介!これを読めばPoEスイッチのすべてがわかります。
PoE (PoE+)給電とは何か
PoEとはPower over Ethernetの頭文字をとったもの。文字通りLANケーブルで電力を供給する技術のことです。世の中には様々なIoTソリューションがありますが、どのソリューションにおいても絶対に欠かせないのが「電源の確保」。ネットワーク通信のためのLANケーブルを使って、同時に電源まで確保できるとしたら、これほど便利なことはありません。そのような意味でPoE給電はIoTソリューションの可能性を大幅に広げてくれる技術だといえるでしょう。
このPoEは、LANケーブルの中にある信号線によって電力を供給する、という非常にシンプルなしくみです。設置するにあたって、なにか特別な設定や工事は必要ありません。対応するLANケーブルを使って、気軽に取り入れらるのはうれしいポイントです。
具体的にPoE給電機能を使うメリットとしてどのようなものが挙げられるのでしょうか。
1.設置場所の柔軟性
LANケーブルを介して電力を供給できることから、電源コンセントがない場所にネットワーク機器(スイッチ等)を設置できます。これこそが、PoE給電機能の最大のメリットといえるでしょう。例えば、防犯カメラや監視カメラ、照明など、建物の天井や屋外などに設置することが多いソリューションなどではPoE(PoE+/PoE++)機能をもつスイッチングハブが使用されるケースが多くあります。
2.コスト削減
設置場所の柔軟性を高めると同時に、コストの削減にもなるのがPoE給電機能のあるスイッチングハブのメリットです。電源コンセントがない場所に、工事を施して電源ケーブルを設置するにはそのための工事が必要となり、その分コストがかかってしまいます。PoE給電機能のあるスイッチングハブを導入することで、その分のコストを削減することができます。
3.配線の削減
PoE給電機能のあるスイッチを使えば、電源ケーブルが不要です。単純に考えると、必要な配線が半分になるということです。それだけ必要な部品が少なくなるので、コストの削減になります。また配線が減ることで見た目がすっきりし、ソリューションに使用する機器類の管理がしやすくなるのもメリットといえるでしょう。
様々なPoE規格
ところでPoEといっても、実はさまざまな規格があるのをご存じでしょうか?一般的にはPoEの他にPoE+、さらにはPoE++と呼ばれるものがあります。これらの違いは、一言でいうと「供給できる電力の最大値の違い」です。2003年に標準化された「PoE(IEEE 802.3af)」の最大供給電力は15.4W、2009年の「PoE+(IEEE 802.3at)」は30W、2018年の「PoE++(IEEE802.3bt)」は90Wとなっています。
このように時間の経過とともに、PoEの最大供給電力も徐々に拡張されています。これまでの経過を考えると、将来的には最大供給電力値がさらに高いバージョンのネットワーク機器もでてくることでしょう。PoE規格の幅が広がることで、さらに様々なIoTソリューションにPoE技術を搭載したネットワーク機器を使える未来がくると思われます。
下図にPoEの規格の種類をまとめていますのでご覧ください。PoE/PoE+/ PoE++では、最大供給電力の違いから使用できるLANケーブルの種類が変わってくることにご注意ください。PoEの場合は5かそれ以上のクラス、PoE+/PoE++では、5eかそれ以上のクラスのLANケーブルを使用する必要があります。
*電源クラスとは:PoEを給電する側のデバイスから受電するデバイスにどれくらいの電力を供給できるかを定めたものです。クラスによって1~8に分けられています。
PoE(PoE+/PoE++)スイッチの使用事例
PoE(PoE+/PoE++)給電機能を持つスイッチを使用して実際にどのようなIoTソリューションを構築できるのでしょうか。当社テルトニカの事例をご紹介いたします。
1. 消防車用の車載通信システム
消防車にはカメラ、ナビシステム、救命機器、コンピューター機器など様々なデバイスが搭載されています。それらを駆使して、消防車と消防署内の中央管理室がリアルアイムで通信し情報を共有し、火災等の非常事態に対応するのです。これらの通信を円滑に行うためには堅牢なネットワーク通信が必須なのですが、ここでいくつかの課題があります。
一つ目は、時に長距離を移動する消防車に安定したネットワーク通信を搭載することです。二つ目は、消防車内という限られた空間において、配線が絡まるのを防ぎ、整然と機器を設置/運用することです。
これらの課題は、当社のLTEルーター「RUTX11」とPoE+スイッチ「TSW101」を併用することで解決することができました。「TSW101」に搭載されているイーサネット五つのうち四つはPoE+対応となっていることから、様々な機器にLANケーブル一本でネットワーク通信と電力を同時に供給できるのがポイントです。この事例についての詳細はこちら、もしくは下記トポロジーをクリックしてご覧下さい。
2.多数の監視カメラをつなぐ高信頼性ネットワーク
よくPoE(PoE+/PoE++)スイッチが利用されるケースとして、防犯カメラを使用した監視システム(CCTV)が挙げられます。多数の防犯カメラで広大な敷地の様々な場所を監視するにあたり、電源コンセントがない場所にカメラを設置する必要がある場合があります。また、電源コンセントが設置できるスペースがあったとしても、わざわざ工事をして配線を敷くのがベストとはいえません。多数のカメラを設置するためには、多数の電源コンセントが必要となり、結果的にコストが高くなる場合もあるからです。
そのようなケースでこの防犯カメラの設置にあたり、PoE給電機能を持つスイッチングハブは大変便利です。今回の事例では、当社のLTEルーター「RUTX11」とPoE+スイッチ「TSW100」を併用することで課題を解決することができました。
この事例についての詳細はこちら、もしくは下記トポロジーをクリックしてご覧下さい。
PoE給電可能なスイッチングハブならテルトニカ
産業用IoTのネットワーク機器の世界市場で、トップ3にはいるメーカーであるテルトニカ・ネットワークスは、様々な産業用ネットワーク接続デバイスを製造・販売しています。PoE(PoE+)給電対応/非対応スイッチのラインナップも非常に充実しており、お客様のニーズに合わせた製品のご紹介が可能です。(技適承認済み/承認申請中の製品がございます)
当社のネットワーク機器は筐体がアルミニウム製で、非常に堅牢です。温度耐性の幅も―40℃~75℃と大変広く、どんな産業用途にも安心してご利用いただけます。
当社は創業がリトアニアですが、いまでは世界22カ国において30以上のオフィスを構え、当社の製品は180カ国以上でご利用いただいております。またつい先日、日本の東京オフィスも本格的に始動し、今後さらに日本のお客様によりそったサービスを展開していく予定でございます。
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