概要
✔今回のパートナー様はイスラエルに本社を置く「Reali Technologies」社。クラウドベースのSCADAおよび遠隔測定ソリューションで、世界中の施設にコスト効率の良いデジタル変換と遠隔機能を提供するクラウド・プラットフォーム ー 「RealiteQ」の開発会社です。
✔同社のクライアントであるメキシコ企業は、大規模な水処理施設を経営。この施設のダムで、偶発的な下水のオーバーフローが発生し、施設の損傷によって多額の修理費用がかかっていました。
✔偶発的なオーバーフローの防止とシステム全体の効率向上のために、同社は次のような対策を講じました。テルトニカ・ネットワークスの産業用ゲートウェイ「TRB245」に自社のICEXを組み込んだ最新型ソフトウェアを搭載した「ICEX TRB245」を使用して、この水処理施設を同社のクラウド・プラットフォーム「RealiteQ」に接続したのです。
✔「ICEX TRB245」をイーサネットでPLCに、さらにRS232やRS485を使用して多数のセンサー/ポンプ/バルブに接続し、通信の強化、メンテナンスコストの削減、リモート管理機能の導入、洪水リスクの排除のための基盤を確立することができました。
課題 ー 手作業による事故
DX(デジタル・トランスフォーメーション)は業務の最適化や効率化ができる以上に、リスクの軽減およびコストの削減につながります。その顕著な例が水道事業セクターであり、この業界ではDX(デジタル・トランスフォーメーション)に対する需要が年々高まっているのです。当社のパートナーである「Reali Technologies」社は、DX(デジタル・トランスフォーメーション)を後回しにした場合、どんなことが起こるのかを目の当たりにしました。
メキシコにある同社のクライアント様の施設内では、ダムで汚水のオーバーフロー事故が何度も起きていました。これらのオーバーフローは、飲料水処理プラントまで達する洪水を引き起こし、損傷した施設の修理に多額の費用がかかるという、甚大な被害をもたらしました。
このような洪水は浄水場が完全に手動で運営されていた箇所で発生しました。予防保全がされておらず、ポンプやモーターのような稼動機器の始動や停止は手動でした。測定値の読み取りは、壁に目盛りを描くという信頼性の低い方法でされ、読み取った測定値の分析は、職員がみたものを無線を使って口頭で伝える、という超アナログな方法で実施されていたのです。
IoTを使えば、このようなコストのかかる事故を実際に防ぎやすくできます。センサーで収集したデータをクラウドサーバーに遠隔転送/分析し24時間365日監視することは、「贅沢」ではなく標準装備であるべきでしょう。クライアントに対してこの標準装備を提供するにあたり、「Reali Technologies」社は最適な通信デバイスとして当社テルトニカ・ネットワークスの製品をご選択されました。
トポロジー
ソリューション ― デジタル化の促進
「Reali Technologies」社の総合ソリューションは、インフラ、ICT、SCADA、サイバーセキュリティ、データ分析に至るまでのレベルをすべてカバーする、遠隔地IIoTハードウェアとクラウドソフトウェアを兼ね備えたものです。今回は、当社の産業用ゲートウェイ「TRB245」とIcex組み込みエッジソフトウェアを合わせた「ICEX TRB245」を使用して、水道施設を「Reali Technologies」社クラウドプラットフォーム「RealiteQ」に接続することにしました。
モニタリングに加えて制御が必要な個所では、ローカルロジックを維持するためにPLCを適用し、イーサネット経由で「ICX TRB245」に接続しました。モニタリング、データ分析、アラームのみが必要な小規模な施設では、RS232とRS485で圧力センサー、水位センサー、流量センサーを「ICX TRB245」に直接接続することに。
制御および管理の両方が必要な施設では、「ICEX TRB245」をイーサネット経由でPLCに接続しました。モニタリング、データ分析、アラームのみが必要な小規模ステーションでは、PLCへの接続は不要です。どちらの場合も、処理プラント内の様々なデバイスをPLCに接続する一方、一部はイーサネット、RS232、RS485経由で産業用ゲートウェイ「ICEX TRB245」に直接接続します。これには、水槽の水位を測定するレベルセンサー、配管の圧力を測定する圧力センサー、移動する水の量を測定する流量計、pHメーター、温度計、電圧計、電流計、電力計などが含まれます。
当社の産業用ゲートウェイ「TRB245」は、最新の産業用デバイスおよびレガシーデバイスをひとつのソリューションに統合する機能を備えており、このソリューションの基盤となっています。Modbus、GNSS、SMS制御、ファイアウォール、OpenVPNなど、幅広い産業用ネットワーク機能により、ソリューションの適応性と安全性を担保することができるのです。これらすべてが、過酷な産業環境用に設計された耐久性のあるコンパクトな筐体に収められており、設定も簡単にできるのが特徴です。
すべてのセンサーを監視下に置き、産業用ゲートウェイ「TRB245」が安定したコネクティビティを保証することで、このソリューションはあらゆる形態の通信をより良く、速く、正確にし、特定の時間とエリアにおける目標水流量の割り出しを可能にしました。これによりメンテナンス・コストの削減、遠隔管理機能の導入、そして最も重要なこととして、洪水のリスクを排除することができたのです。
この事例で使われた製品
TRB2454G/LTE (Cat 4)、3G、2G
自動フェイルオーバー、バックアップWANとその他の切り替えシナリオ
RS232/RS485シリアル通信インターフェース
複数のI/Oによる遠隔監視・制御が可能