概要
✔ 近年の建設現場では、CCTV監視カメラや仮設オフィスでのネットワーク通信利用が一般的です。しかし、屋外での長期運用には、豪雨から砂嵐までの過酷な気象条件に耐えうる堅牢な通信機器が求められます。
✔ この課題に対応するのが、テルトニカ初の屋外ルーター「OTD140」です。IP55準拠の堅牢な筐体設計により、防水・防塵性能を標準で備えています。
✔ 「OTD140」のPoE+機能で、Wi-Fiアクセスポイント「TAP100」と組み合わせ、CCTV監視カメラ・仮設オフィスの両方に、安定した4G接続とリモート管理機能を提供します。これで天候に左右されず、安定したネットワーク環境を構築できます。
課題 ― 屋外で求められる堅牢なネットワーク通信
現代の建設現場では、工期が長期化しやすく、現場に高額な機材や車両が長期間留まるため、常時監視可能なCCTV監視カメラが欠かせません。また、現場事務所として使用される仮設オフィスにも無線ネットワーク接続が必要です。
しかし同時に、建設現場は常に自然環境にさらされる過酷な場所でもあります。ショッピングモールやオフィスビルのように、屋内設置を前提とした「天候の影響を考慮しなくてよい」場所にCCTV監視カメラを設置するのとはわけが違い、そのようなネットワーク構成は通用しません。
屋外で使用する機器は、雨・雪・雹・砂嵐といった悪天候にも耐えられる設計でなければ、通信断や機器の故障を招く恐れがあります。
もちろん、産業用ルーターを外付けの防水ケースなどに収めて使うという方法もあります。ただしそれには、設置場所ごとに異なる対策(例えば砂嵐への対応のみが必要な場合等)や追加の資材が必要で、手間とコストがかさみます。
このような現場で本当に必要なのは、標準で防水・防塵性能を備えた、屋外専用の産業用ルーターであるのは明白です。
トポロジー
ソリューション ― 過酷な環境に耐える「OTD140」
テルトニカ初の屋外ルーターである「OTD140」で、屋外環境に最適化された4G接続ソリューションのご提供が可能です。この4GルーターにはIP55準拠の高耐久プラスチック筐体を採用しているため、雨水や砂塵に対する優れた耐性を持ち、過酷な現場環境でも長期間安定した稼働が可能です。
本事例では、「OTD140」を2台使用しました。1台はポールに設置した監視カメラとイーサネットで接続します。もう1台は仮設オフィスの屋上に設置しWi-Fiアクセスポイント「TAP100」と接続しました。(※「OTD140」自体はWi-Fi機能非搭載のため「TAP100」と組み合わせての運用となります。)
ところで「OTD140」は、ただの屋外用ルーターではありません。PoE+(Power over Ethernet Plus)対応により、防犯カメラやWi-Fiアクセスポイント「TAP100」へ直接給電することができます。これにより、ケーブル等の電源設備を別途用意する必要がなく、設置の手間とコストを大幅に削減できます。。
監視カメラの映像は「OTD140」を通じてCat 4対応の4G回線で仮設オフィスへ転送され、その場での映像確認や保存が可能になります。また仮設オフィス側ではWi-Fiネットワークが使用できるようになるため、管理業務と通信を1台でカバーできます。たとえ建設が長期にわたっても、どんなに天候が悪化しようとも「OTD140」があれば安定した通信を維持することが可能なのです。
「OTD140」のすごさはこれだけにとどまりません。複数の建設現場を管理する場合、それぞれの監視カメラ・ネットワークを遠隔から監視・管理できる仕組みは非常に重要です。
「OTD140」は、テルトニカの「RMS(リモート・マネジメント・システム)」に対応しており、技術者が現地に出向くことなく、ファームウェアの更新やトラブルシューティングを遠隔で実行可能です。これにより、時間とコストの大幅な削減が可能になります。
人の手による新しい創造が行われる場所には、必ず「つながる力」が求められます。そしてその現場が屋外であれば、ネットワークもまた、環境に適応しなければなりません。
そんな「過酷な現場に最適化されたコネクティビティ」を実現するのが、屋外用PoE+ルーター「OTD140」なのです。
この事例で使われた製品
OTD140屋外設置に適した
IP55規格の高耐久性
4G LTE (Cat 4), 3G, 2G
自動フェイルオーバー、バックアップWAN、その他の切替シナリオ
PoE入力×1
PoE出力×1