生物多様性AI自動ケア用LTEルーター

概要

✔今回のパートナー様はコンピューター・ビジョン、AI、ロボット技術開発企業の「RoboticsCats」社（香港）です。山火事の早期発見や環境モニタリングに関する製品を提供している会社様です。

✔「RoboticsCats」社は香港バードウォッチング協会と共同で、「AI生物多様性ケア（ABC）システム」を開発。このネットワークソリューションは、内密監視カメラ使って渡り鳥の生息地を24時間365日監視し、不法侵入者や山火事の兆候が検出された場合に自動的に関係者に警告するシステムです。

✔このIoT屋外ソリューションには当社のLTEルーター「RUT951」が使用されました。このLTEルーターにはデュアルSIM WANフェイルオーバー機能、IPsecプロトコル対応、自動リブート用SIMコマンド、およびネットワークソリューションを容易にリモートマネジメント／制御するための多数の機能が搭載されています。

課題－生物多様性ケアシステム

1970年以来、世界中の野生動物の数は平均して69%減少しています。この割合を鑑みると、野生動物や生物多様性（*1）の保護活動が、この事態を是正すべく精力的に活動しているのが納得できるのではないでしょうか。

香港バードウォッチング協会（HKBWS）はその好例です。1957年に設立されたこの協会は、地元のバードウォッチング活動を組織すると共に、野鳥の観察に関する意識を高め行動を促してきました。

これらの活動が野鳥の妨げにならないよう、協会は「RoboticsCats」社と提携し、AI生物多様性ケアシステム（ABC）を協会管轄の養魚池に配備しました。このシステムは、内密監視カメラを使って24時間365日体制で野鳥を監視し、不法侵入者や森林火災の兆候が検出された場合、職員に対して自動的に警告を発するようになっています。

もちろんこのようなシステムには、リアルタイム検出と動画ストリーミングをするために、堅牢で信頼性の高いネットワーク接続が必要です。このようなIoT屋外ソリューションのケースでは、自動化された可用性の高い運用とリモートマネジメントを確保することが最も重要で、そのためには産業用グレードで機能豊富なLTEルーターが必須でした。

<em>(*1)生物多様性とは、</em><em>様々な生きものが、異なる環境で自分たちの生きる場所を見つけ、互いに違いを活かしながら、つながり調和していること。</em>

トポロジー

ソリューション ― 野生動物保護用LTEルーター

「RoboticsCats」社には、AI生物多様性ケアシステム用のIoT屋外ソリューションに、テルトニカ・ネットワークスの産業用LTEルーター「RUT951」をお選びいただきました。この4Gルーター「RUT951」をイーサネットで監視カメラに接続することで、動画ストリーミングと自動アラート機能に最適な、高信頼性でスムーズなLTE Cat 4接続が可能になりました。モバイル信号の受信を向上させるためにSMA屋上アンテナを使用すれば、このネットワーク通信をさらに強化することができます。

このネットワークソリューションにおいて肝心なポイントは、「RUT951」が単なるSIMカード付きルーターではない、ということです。「RUT951」にはSIMカードスロットがふたつあり、片方のカードが故障した場合に、バックアップキャリア接続に自動的に切り替わるWANフェイルオーバー機能がついています。

さらに「RoboticsCats」社は、「RUT951」の強力なVPN対応、特にIPsecプロトコルを利用して、屋内のオフィスからこのIoT屋外ソリューションのリモートコントロールを安全に行うことができます。このケースでは、オフィス側には当社のLTEルーター「RUTX11」を設置しました。

また、ネットワーク接続またはIPsec VPNが不安定な場合は、RutOSの自動再起動機能で、このLTEルーターを自動的に再起動します。SIMコマンドによる手動再起動も可能です。再起動後、デバイスは自動的に「RoboticsCats」社の技術チームにメールを送信します。これは予期せぬ事故に対して迅速に対応するのに役立ちます。これにより、ネットワーク管理を自動化し、遠隔地運用をよりよく改善することができます。