✔今回は、ポーランドのモバイル・テレスコピックマストメーカー「mTower」社に関する事例です。同社は、ヨーロッパ全域のさまざまなプロジェクトやアプリケーション、業界に対して高度なソリューションを提供しています。
✔「mTower」社には、 テレスコピックマストの遠隔監視/管理機能を実現するために、産業用モバイルルーター「RUT956」をご利用いただきました。
✔ この4Gルーター「RUT956」は、自動フェイルオーバー付きデュアルSIM機能を備えているため接続が途切れません。またさまざまなインターフェースと対応プロトコルにより、スムーズなデータ伝送を容易に実現できます。
課題 ― 競合に勝つ
テレスコピックマストは、モバイル展開における万能ツールです。この移動式マストは伸縮可能で、望遠鏡のように引き伸ばすことで、移動型指令センター、建設現場、監視、その他の昇降が求められる活動において使用されます。
テレスコピックマスト市場は、2023年に3億5630万ドルと見積もられ、2030年までには4億8980万ドルに達すると予測されています。このような市場状況で競争力を維持するためには、枠にとらわれない柔軟さが必要です。
まさにその発想を実現しているのが「mTower」社です。同社のテレスコピックマスト・タワーは、ハイブリッド電力システムにより、伸縮機能に加えて数日から数か月の間照明を維持できるエネルギー効率を誇ります。それだけではありません。テレスコピックマストの遠隔監視/管理機能も提供しています。
クライアントが同社のテレスコピックマスト製品を農村や遠隔地、また移動式のソリューションに展開する場合、コスト削減のための機能が非常に重要です。「mTower」社は、テレスコピックマストに搭載されたセンサーやカメラの稼働ステータス/データにリモートでアクセスでき、さらにタワー内の各デバイスをリモートで再起動できる機能を提供したいと考えました。
これにはもちろん信頼性の高い産業用モバイルルーターが必要です。ここで「mTower」社には、テルトニカの産業用モバイルルーター「RUT956」をお選びいただきました。
ソリューション ― テレスコピックマスト用モバイルルーター
「mTower」社のテレスコピックマストへのIoT遠隔監視/管理機能実装を実現するために採用されたのが、産業用モバイルルーター「RUT956」です。この4Gルーターを、中央タワーコントローラーと監視カメラにイーサネットで接続しました。これにより、このネットワークソリューションおよび関連機器群にLTE Cat 4接続を提供することができます。
接続される関連機器群には、温度・湿度センサー、燃料レベルセンサー、セキュリティ警報センサーなど、さまざまなステータスおよび環境センサーが含まれます。さらに、タワーコントローラーを充電コントローラーに接続し、この充電コントローラーを発電機や太陽光発電(PV)ステーションに接続します。
4G ルーター「RUT956」は、収集したすべてのデータをワイヤレスでクラウド制御センターに送信し、リアルタイムデータ解析を行います。この通信には、TCP/IP、DHCP、HTTP、HTTPS、NTP、FTP、P2P、RTPS、RTMPなど、さまざまなプロトコルが使用されます。
このワイヤレス接続は双方向で動作し、「mTower」社のエンジニアはタワーの稼働ステータスを監視し、設備にリモートでアクセスして必要に応じて再起動することができます。
「RUT956」はネットワーク接続の信頼性を確保するためのデュアルSIM機能を備えており、自動フェイルオーバー、バックアップWAN、その他の切り替えシナリオを提供し、1つのISP(インターネット・サービス・プロバイダー)の接続が切れた場合でも、もうひとつのISPからのSIMカードがその役割を引き継ぎ、途切れのない接続を維持します。
この4Gルーター「RUT956」の機能は、高信頼性なネットワーク接続だけではありません。モバイルネットワーク・ソリューションに役立つGNSS機能を活用できます。さらに、さまざまな端末や将来の適応に対応するため、幅広いインターフェースは重要です。この点おいても、「RUT956」はイーサネット、RS232およびRS485といったシリアルインターフェース、そして多数のI/Oを装備しているため安心です。
モバイルルーター「RUT956」の筐体はアルミニウムとプラスチックパネルで構成されており、―40°Cから75°Cまでの温度範囲に容易に対応できます。どんな用途にも対応し、しっかりと役割を果たすことができます。
この事例で使われた製品
RUT9564G LTE (Cat 4), 3G, 2G
オートフェイルオーバー、バックアップWANなどのスイッチングシナリオあり
イーサネット、シリアル (RS232, RS485) そして複数の I/O
位置情報サービス及び時刻同期のためのGNSS(グローバル・ナビゲーション・サテライト・システム)