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インドで発生した「酸素供給不足」を解決したIoT施策

概要

✔今回は、産業用自動化IIoT専門のスタートアップ「Altorum Leren」社様(インド)の事例です。様々な産業向けにE2EのIoTソリューション・プラットフォームを開発し、最先端技術を活用した自社クラウドプラットフォーム「Alfinity」によって顧客の生産性向上をサポートしている企業様です。

✔インドの医療施設で発生した「酸素不足」を防ぐため、インド政府は全国で酸素供給量の監視と管理を一元化するというビジョンを発表しました。その実行を支援したのが「Altorum Leren」社でした。実現のためには、酸素製造工場にリモートアクセス機能を確立しなければならず、そのための接続デバイスが必要でした。

✔接続デバイスとして、当社の産業用ゲートウェイ「TRB145」を導入いただきました。「TRB145」にはRS485のシリアル・インターフェースが搭載されておりEthernetIP、ProfiNet、ICE、OPCUA、Profibus対応のカスタムソフトウェアをインストールすることができる、という点が選ばれた決め手でした。

課題-インドで起こった前代未聞の酸素不足

2020年に発生したCOVID-19が大流行時した際、インドの病院は深刻な酸素不足に陥りました。1,800万人以上の感染者が発生し、医療用酸素の需要が急増した結果、供給が追いつかなくなったのです。私たち人間は酸素がなければ生きていけません。その結果、悲しいことにたくさんの人命が失われました。

このような悲劇はなぜ起こったのでしょうか?その一因は、インドの酸素製造インフラにありました。インドで自前で酸素を製造できるのは、比較的少数の医療施設に限られています。国土面積328万7,000平方キロメートルという広大な地域にちらばっているそれ以外の病院が、酸素を民間企業からの納入に頼っていたことで、酸素の供給不足が起こったのです。しかし、原因はそれだけではありません。たとえインド中のすべての病院が酸素を自給できるようになったとしても、その可用性を継続的に監視・管理する体制を整える必要があります。管理がきちんとできなければ、やはり酸素の供給不足におちいるリスクが高くなるのです。

インド政府は事態を改善すべく、国全体の酸素供給の監視/管理を一元化するソリューションの構築を「Altorum Leren」社様に依頼しました。このような施策には、IoTを活用したリモート管理が必須です。幸いなことに、これは当社テルトニカ・ネットワークが大変得意とする分野でした。

トポロジー

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ソリューション -酸素供給をリモート管理

 「Altorum Leren」社様は、すでに「Alfinity」という独自のリモート管理用クラウドプラットフォームをお持ちで、レポートやダッシュボードの作成、予防保守の通知などに利用されていました。そこに追加する形で必要だったのが、酸素製造工場で使用されているPLCと「Alfinity」とをつなぐネットワーク通信の橋渡し役となる、信頼性の高い「接続デバイス」でした。

 選ばれたのは、RS485シリアルインターフェース対応のテルトニカ・ネットワークス産業用ゲートウェイ「TRB145」でした。酸素製造工場には、さまざまなタイプのPLCがあり、RS485をはじめとしてそれに対応できるインターフェースが必要です。しかしこの「TRB145」に「Altorum Leren」社様がカスタムコードのAlfinity Edge OSファームウェアをインストールし、EthernetIP、ProfiNet、ICE、OPCUA、Profibusインターフェースに対応させることで互換性をさらに強化することが可能になりました。

 結果、1000を超えるインドの病院には酸素製造インフラが整備され、それぞれの病院は「TRB145」を使って「Alfinity」と接続されました。これにより、エンドユーザーであるインド政府は、酸素の供給と管理を精密に計画することができるようになったのです。

この「TRB145」ゲートウェイ群は、信頼性の高いネットワーク接続を提供するだけでなくSMS制御/ファイアウォール/オープンVPN/IPsec/FOTAサポートなど重要なソフトウェア機能を多数備えています。コンパクトで頑丈なアルミニウム製筐体できており、9~30Vの電源電圧範囲により、設置や作業が非常に簡単です。異なる複数のPLCを使用する産業アプリケーションにおいても、インストールと作業が大変簡単にできるようになりました。

このソリューションは、酸素の安定供給を維持し、酸素の過不足に関するパラメータを決定し、最終的に人命を救うために極めて重要なものでであるといえるでしょう。

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