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農業を効率化する「センターピボット灌漑システム」の自動化

概要


✔本事例は「センターピボット灌漑システム(*1)」についてです。このシステムは必要な場所に正確に水を供給すると同時に水の消費量を削減し、農業に利便性と効率性を提供する優れた方法です。しかし、このシステムの可能性を最大限に引き出すには、ネットワークへのリモートアクセス/管理/制御が必須です。


✔通常、灌漑システムは市街地ではなく農村部で使用されるため、ネットワーク接続を構築するのが難しい場合があります。しかし、当社の産業用4G LTEルーター「RUTX11」でこの課題を解決することができます。


✔当社の「RUTX11」はセルラー(モバイル)接続、キャリアアグリゲーション、GNSSおよびマルチインターフェースなどの機能を備えており、これによって灌漑ソリューション全体に堅牢で中断のない接続性を提供し、リモートアクセスを可能にします。結果として、農業を自動化し人件費と時間を大幅に節約できます。


(*1)「センターピボット灌漑システム」とは、乾燥地域で大規模に作物を栽培するために、くみ上げた地下水に肥料を添加した後、自走式の散水管に圧送して水をまく灌漑法のことです。



課題 ― 時代遅れの灌漑システム


地球上のすべての生命体は、水に依存して生きています。日々の生活、生態系、食糧供給において水は根本的な役割を担っているにもかかわらず、私たちは水資源を正しく扱えているとはいえません。現在の水の消費量の統計によると、世界全体の取水量の70%を占めているのは農業です。2050年末までに、世界の人口はいまより20億人以上増えると予想されており、農業に必要な水の量はさらに増加の一途をたどると推定されます。


確かに作物の栽培には大量の水が必要です。それでも農家が作物栽培に使う水のなんと40%は、時代遅れな灌漑方法のために浪費されているのです。


しかしこの課題は解決可能です。解決法のひとつは「センターピボット灌漑システム」です。肥料やその他化学薬品の散布などを含めた、畑の灌漑プロセス全体を自動化することで、水の消費量を削減することができるのです。しかもできることはそれだけではありません。


ネットワーク接続を利用しこの「センターピボット灌漑システム」にリモートアクセスすることで、農作業における時間/人件費を削減し効率性を高めることができます。これにより、特定の基準や環境条件に基づいた灌漑計画が可能になります。しかし、農地はたいていネットワーク環境が発達していない地方地域にあるため、このシステムを実現するのは容易ではありません。だからこそ、このソリューションを実装するには最高のネットワーク接続デバイスの装備が必要です。



トポロジー




ソリューション―農業における灌漑システム自動化


あらゆる機能を備えた当社の4G LTEルーター「RUTX11」は、M2M通信と、堅牢なネットワーク接続を確保するのに最適な製品です。ひとつめのポイントとして、「RUTX11」は主要なインターネットソースとしてセルラー(モバイル)接続が可能なため、農地であっても「センターピボット灌漑システム」全体に堅牢で中断のないネットワークを供給することができます。また「RUTX11」はキャリアアグリゲーション機能を備えており、2つの帯域を統合してデータ伝送帯域幅を大幅に向上させることができます。この技術によりカバレッジと安定性が向上し、ネットワークの信頼性がさらに高まります。


しかしこのような信頼性の高いネットワーク接続には、具体的にどのような利点があるのでしょうか。


堅牢なネットワーク接続の第一の利点は、システム全体がM2M通信を実行しピボットのコントローラー、モニタリングセンター、サードパーティのアプリ間でデータを交換できることです。これにより、灌漑システム全体のステータスとデータをリモートで可視化することができます。したがって農業従事者が実際に灌漑システムが設置されている各地点に出向くことなくシステムの追跡、制御、調整をすることが可能になります。コンポーネントの稼働時間の制御や無数のデータのモニタリングを、いつでもどこからでも実行することができるのです。


「RUTX11」のもう一つの優れた点は、GNSS機能です。これは特に、圃場(ほじょう:農地のこと)に灌漑システムを多数設置している農家にとって重要な機能です。ピボットのひとつが停止した場合、監視センターに通知が送信されると同時に、GNSSのおかげでそのピボットの正確な位置を特定することができます。これにより農家はどのピボットが動かなくなったかを迅速に特定し、適切な対応をとることができるのです。


また当社のルーター「RUTX11」は、I/O、イーサネット、USBポートなど、さまざまなインターフェースを備えており、USB―シリアル間コンバーターを使用してシリアルデバイスを接続することができます。これらのインターフェイスにより、異なる種類のインターフェイスを必要とする複数のピボットに容易に対応することが可能です。


このようなソリューションによって水の消費コストを削減し、世界的な取水量の割合を低減できるだけではなく、農家は日々の作業を自動化しより効率的に行うことが可能になるのです。


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