概要
✔ 今回の事例は、英国企業「CBM Partners」社のケースです。同社は、機械監視機器/IoTリモート監視ソリューション企業で、コスト削減および信頼性に関する専門家のサポートをするとともに、熟練した労働力へ依存度を減らすサポートをしています。
✔ 同社のリモート監視ソリューション「CBM Link」は、「ウールウィッチ・フェリー(Woolwich Ferry)」の最新の船舶において、予知保全に使用されています。そして、このソリューション技術には信頼性の高い4Gルーターが必要でした。
✔ 同社にはテルトニカの 4Gルーター「RUT951」を選定いただきました。この4Gルーターの自動フェイルオーバー機能を備えた高信頼性続と、RMSによるリモート管理機能を活用して、予知保全を実現することができました。
課題 ― ウールウィッチフェリーの予知保全
2022年に81億ドルだった世界の旅客フェリー市場価値は、年平均成長率(CAGR)7.1%で成長し、2031年には151億ドルに達すると予測されています。数十億人もの乗客、そして数百万台のフェリーがこの巨大な数字の源泉です。この業界の成長を支えるのは一体何なのでしょうか。
その要因を理解するために、とあるフェリー会社‘「ウールウィッチフェリー」に注目してみましょう。「ウールウィッチフェリー」はロンドン東部、テムズ川の南北の岸を結ぶフェリーで14世紀から運航されています。
2019年2月、「ウールウィッチフェリー」に新しいハイブリッドフェリーが二隻導入されました。このハイブリッドフェリーには最先端の推進/係留システムを備えています。しかしこのフェリーの価値は、(地味に見えるかもしれませんが)予知保全に集約されます。
機械動作に変化が生じた際に、予知保全によってその兆候を検出し、設備の故障/ダウンタイム/そしてその結果としての経済的損失が起こる前に、問題に迅速に対応することが可能となります。
この技術は、「CBM Partners」社によってフェリーに実装されました。同社のプラグ&プレイ型リモート監視ソリューション「CBM Link」は、船内のセンサーからデータを収集しそれを専用のクラウドサーバーに送信できるシステムです。
ただしここで一つの課題が生じます。フェリーが乗客をこちら岸から向こう岸に運ぶのと同様に、収集データをワイヤレスで転送するためにはモバイルルーターが必要となります。「CBM Partners」社は、「CBM Link」の信頼性を高め、きちんと動作させるため に最適な4Gルーターを選ぶ必要がありました。
ソリューション ― 海上で使える4Gルーター
「CBM Partners」社には、リモート監視ソリューションのためにテルトニカの4Gルーター「RUT951」 お選びいただきました。このデバイスを、ゲートウェイおよび重要な船内機器に取り付けたワイヤレス振動/温度センサーと一緒に船舶に取り付けます。
センサーは、ブルートゥースを介してゲートウェイにテレメトリーデータを送信します。そのゲートウェイをイーサネットで「RUT951」に接続し、受信したデータを4Gルーターに中継、そこからModbus TCPまたはMQTTプロトコルを使用してクラウドサーバーに送信します。そこからそのデータはダッシュボードやスマートフォン情報、自動アラートとして私たちの目に触れることになりあます。またそのデータを専門家が分析したものを使用することもあるでしょう。
このリモートデータ転送は、「RUT951」の持つLTE Cat 4接続と接続信頼性対策機能に支えられています。「RUT951」は単なる4Gルーターではありません。SIMスロットが二つ搭載されており、自動フェイルオーバー/バックアップWAN/その他の切替シナリオが可能です。
「RUT951」はModbus TCPおよびMQTTに加えて、SMPP、IPv6、SSH、HTTPSなどの重要なプロトコルにも対応しています。これらの柔軟性とWi-Fiホットスポット機能により、将来起こりうる「CBM Link」の変更に対応可能なフレキシブルなツールとなっています。
また「RUT951」は耐久性の高いアルミニウム製筐体でできており、ー40°C~75°Cという広い動作温度に対応可能なため、フェリーやその他の海上ソリューションに最適な4Gルーターです。これによって「CBM Partners」社は、天候に関係なくすべての重要な資産のデータを確実に収集することができるのです。
「CBM Partners」社はこの海上ソリューションにおいて、ルーターに加えて当社の「RMS(リモート・マネジメント・システム)」も活用されています。エンジニアはこのリモート管理ツールで4Gルーターを管理し、機械データの分析やシステム保守を遠隔で行うことができます。このようなリモートデバイス監視/アクセス/制御機能は、移動体ソリューションにとって非常に重要なものとなります。
「CBM Partners」社はウールウィッチフェリーに「RUT951」を導入することで予知保全の自動化を実現されました。みなさまにもぜひ「RUT951」の導入をご検討いただけますと幸いです。
この事例で使われた製品
RUT9514G LTE (Cat 4), 3G, 2G
自動フェイルオーバー、バックアックWAN、その他のスイッチシナリオ付き
ホットスポット機能付きのワイヤレス・アクセス・ポイント
バックアップ接続への自動切換が可能