古いコンテナを利用したスマート農業を実現するコネクティビティ

概要

✔今回は、「Greenbox Farm」社 （オランダ）にご提供したソリューションについての事例をご紹介します。同社は使用されていないスペースを、活気あるサスティナブルな「農地」に変えることで、食物の栽培方法にイノベーションを起こしている企業様です。

✔同社は、気候制御システムやクラウドベースの作物管理ソフトウェアなどの先進技術を駆使して、作物を正確かつ効率的に栽培することができるコンテナ・ファーム（農地）を提供しています。

✔この事例で使用された当社テルトニカ・ネットワークスの産業用4G LTEルーター 「RUT241」 は、信頼性の高い LTE Cat 4 接続／WAN フェイルオーバー／MQTT プロトコル対応／I/O カスタマイズ性／リモート管理などの機能が搭載されており、継続的で中断のない稼働を保証します。

課題 – 廃れた場所に新しい息吹を

世界の人口は2050年には97億人に達すると予想されています。そして人口が増加するにつれて、世界中での食料の安全保障の重要性も高まってきています。現在、世界人口の半数以上が暮らしている都市部において、これは特に重要な課題であるといえるでしょう。

私たちは農業の限界に挑戦しなければならない時代に生きているのです。

「Greenbox Farms」社は今、まさにこの分野に取り組んでいる企業です。古い輸送用コンテナに、さまざまなスマート・デバイスとシステムを組み込み、効率的で持続可能な農業ができる「農場」に変えているのです。使用されていない空きスペースが、次々と活気あるスマート農業環境に生まれ変わっています。

これらのコンテナ・ファームは縦に積み重ねることができるため、新たな土地開発の必要性をさらに減らし、既存の緑地を保護するのにも役立ちます。ひいては食品廃棄物の削減、健康的な食生活の促進、そして地域社会の食糧安全保障を強化するのにも役立つはずです。

しかしこのようなコンテナ・ファーム農場の運営は、気候制御システムやクラウドベースの作物管理ソフトウェアなどの、高度なスマート農業技術に依存しています。高機能なコネクティビティがなければ、これらの技術の信頼性はそこなわれてしまいます。食糧安全を保障するはずが、食糧不安をあおってしまうことになりかねません。

トポロジー

ソリューション ― 未来をつくるスマート農業

「Greenbox Farms」社のコンテナ・ファーム・ソリューションに堅牢で信頼性の高いLTE Cat 4コネクティビティを確立するため、同社にはテルトニカ・ネットワークスの産業用4G LTE ルーター「RUT241」をお選びいただきました。「RUT241」をイーサネットケーブルでスイッチに接続します。さらにそのスイッチにイーサネット経由で、PLC／HMI／カメラ／投薬システム／灌漑システム／換気システム／空調制御ユニットなど、様々なスマート農業部品を接続しました。

これらの統合により、「Greenbox Farms」社はクライアントに、同社のカスタムソフトウェア「greenOS」を使用したリモートアクセスとサービス機能、およびMQTTプロトコルに対応している「RUT241」を使用した予知保全の推奨機能を提供できるようになりました。コンテナ・ファームが年間を通じて継続的に稼働できることを保証すると同時に、発生する可能性のある問題に積極的に対処することが可能になったのです。

「RUT241」はMQTT対応の他にも、このスマート農業ソリューションに最適な機能を多数搭載しています。たとえば、WANフェイルオーバー機能は、コネクティビティに問題が発生した場合に代替のバックアップ接続に自動的に切り替えることができ、中断のない接続性を保証します。これにより、コネクティビティの信頼性がさらに高まるといえるでしょう。

また「RUT241」は幅広いI/Oを備えているためカスタマイズ性が高く、さまざまなアプリケーション、サポート、将来的な追加デバイス組み込みが可能です。最後に、テルトニカ・ネットワークスが提供する「RMS（リモート・マネジメント・システム）」との互換性もあり、このスマート農業ソリューションの目的に沿ったリモートアクセスと、制御機能を提供することもできます。

接続中断のないオペレーションが非常に重要なカギとなっていた今回のスマート農業事例。「RUT241」によって、このコンテナ・ファーム・ソリューションを円滑に運営することができるようになりました。「Greenbox Farms」社は「RUT241」を組み込むことで、既成概念にとらわれない農業の限界に挑戦を続けているのです。