遠隔制御された都市型灌漑システム

概要

世界中の都市は驚異的なスピードで成長を続けています。景観が急速に変化するのに伴い、市街地の微気候も顕著に変化します。大都市の構造はその地域の気温、降雨量、風、気圧、その他もろもろに多大な影響を及ぼします。例えば霧が長く残る、汚染が濃くなる、などです。

暗い色調のアスファルト、オフィス、住宅の屋根は太陽光から熱を吸収します。そして夜になると、その熱が放射されます。このため、都市工学はこうした好ましくない副作用に対抗するべく全力を尽くしているのです。事態を改善する方法のひとつが、グリーン・シティ運動です。

課題

アパートの屋上の庭や芝生、緑のつる植物で覆われた壁、歩道沿いに植えられた木々は、一日中吸収される熱を減少させるだけでなく、空気をきれいにするのにも役立ちます。しかし、ご存知の通り、植物が成長し繁茂するには、常に手入れをし、十分な水分が必要があります。

また、街の中で育つ緑はその土地の微気候の激しい変化を経験するため、適度な湿度が必要です。マンパワーを投入して街中を巡回し、すべての緑地をチェックし、手入れをするのは非常に非効率的でしょう。代わりに灌漑システムを導入すれば、マンパワー要らずで水やりのプロセスが格段に速くなります。灌漑システムを自動化することで、効率をさらに高めることも可能です。しかしこのようなソリューションには、すべてのセンサーにコネクティビティを搭載するとともに灌漑システムを制御する機能が必要となります。

今回のパートナー様

「HB Water Technology」社は、長年にわたり様々な水場の技術的ソリューションを提供している企業様です。ソリューション・アドバイス、エンジニアリングから設置に至るまで、全プロセスを手掛けています。屋上庭園、垂直庭園、プランターの灌漑システムから、その他の高品質な緑化プロジェクトまでその専門性は多岐に渡ります。

「Comgate」社は2015年以来、IoTソリューションのワイヤレス接続に関わっている企業様です。同社はIoTバンドル付きSIMカードの供給を専門とし、モバイル・ブロードバンドとIoTサブスクリプションをお客様のデバイスに提供しています。

ソリューション

当社を含むこの三社がそれぞれの専門知識を結集することで、緑豊かな都市空間のための遠隔灌漑システム制御を構築することができました。「HB Water Technology」社は天候の変化を追跡し、必要に応じて遠隔で灌漑システムを作動させるIMC（灌漑水分コントロール）ボックスを開発しました。このボックスを使用することで土壌の水分、温度、水圧、流量を監視することができます。すべての要件が満たされれば、このデータに基づいて、灌漑が自動的に植物に水を散布するように設定することもできますし、APPやインターネット・ブラウザを使って遠隔操作で作動させることも可能になります。

このソリューションのコネクティビティには、「コムゲート」社が提供するeSIMデータバンドルを搭載したテルトニカ・ネットワークスの産業用4GLTEルーター「RUT241」が、IMCボックス内に収納された状態で使用されています。テルトニカ・ネットワークスのルーターは、熱、寒さ、湿気などの過酷な環境にも耐えることができるため、このケースに最適なデバイスであるといえます。センサーはその後、監視センターにデータを中継し、そこでシステムを適宜調整し、情報を分析することができます。これにより、訓練を受けたスタッフが現場にいなくても、街の緑を管理することが可能になるのです。

トポロジー

メリット

• 「RUT241」は、灌漑システムが定期的に遭遇する暑さや湿気などの過酷な環境条件でも作動できます。
• 複数のI/O接続により、接続されたエレメントの遠隔監視と制御が可能です。
• 産業用ルーター「RUT241」は4G LTE接続を提供し、センサーから収集したデータを監視センターに転送することができます。
• APPまたはブラウザを介した接続エレメントのリモート管理が可能です。

なぜテルトニカ・ネットワークスなのか？

「HB Water Technology」社には、当社がコンパクトで頑丈な製品を制作してきた歴史を評価いただき、テルトニカ・ネットワークスのデバイスをお選びいただきました。様々なソフトウェアと「RutOS」の互換性は、このソリューションの大きな利点でした。また、テルトニカ・ネットワークスが顧客の皆さまにご提供するサポートにもご満足していただいています。