RutOS 7.11でIoTソリューションを強化
#rutos, #connectivity
良いものはさらに良く、素晴らしいものはさらに進化します ー RutOS 7.11は、お客様のIoTソリューションに合った最先端の機能をご提供するべくさらなる進化を遂げました。みなさまからのフィードバックと当社のイノベーションへの情熱を反映した最新のアップデートによって、オペレーションをよりシンプルに、効率的にそして強力にしてまいります。それでは、詳細をご覧ください!
私たちは、イノベーションは「お客様の声に耳を傾けること」から始まると信じています。「RutOS 7.11」は、この理念の証です。ユーザーのニーズに基づき、IoTソリューションを向上させるために作り込んだ機能満載の、洗練されたアップデートをいたしました。効率性、柔軟性、信頼性を高めるため、細部にいたるまで慎重に考慮されたものとなっています。それでは、この最新バージョンの注目すべき点をご紹介いたします!
最新のアップデートのご紹介
IPsecソフトウェア・フロー・オフロードでパフォーマンス向上
新しいIPsecソフトウェア・フロー・オフロード機能は、暗号化されたトラフィックを処理する方法にイノベーションをもたらします。既存のフロー・オフロード・メカニズムを活用することで、IPsecトラフィックのルーティング時にCPUの負荷を減らすことができます。またハードウェア暗号化アクセラレータを搭載したデバイスにおいては、この機能がその能力を最大限に活用し、暗号計算のためのCPUリソースを解放します。
結果として、IPsecゲートウェイの使用事例でスループットが大幅に向上し、IoTソリューションのネットワーク運用がよりスムーズかつ高速に行えます。既存の設定との互換性を保つためにデフォルトでは無効になっていますが、有効化すると「RUTX」、「RUTM」、「RUT9」、「TRB2」、「RUT2」、「RUT0」、「RUTC」シリーズ、およびルーター「OTD140」、「RUT260」、「RUT301」、「RUT361」を含む対応デバイスにとって非常に有用な機能となります。
Data-to-Serverのアップデートでデータ配信を効率化
新しいData-to-Serverアップデート機能は、柔軟性と精度が強化されています。データフォーマット・オプションやJSONパラメータの選択肢が拡張され、ユーザーはデータ転送を自身のニーズに合わせてカスタマイズできます。これにより既存のシステムとのスムーズな統合が可能になります。
このアップデートの目玉はスケジューラ機能で、この機能により必要なタイミングでデータを送信することができます。定期的なレポートや重要な同期において、タイムリーなデータ伝送を保証し、IoTソリューションのパフォーマンスを向上させます。
パッケージマネージャーの更新で広がる可能性
パッケージマネージャーの更新で新たに強力な機能が追加されました。それは、お客様のIoTソリューションにおいて、RutOS SDKを使用して作成したカスタムパッケージをアップロードできる機能です。この機能の追加により、デバイス機能を特定の事例や運用要求に合わせて拡張できます。カスタムパッケージのスムーズな統合が可能になり、上級ユーザーや開発者はデバイスを完全に制御し、柔軟性とカスタマイズ性を向上させることができます。
インパルス・カウンターでのリアルタイム・モニタリング
新しいインパルス・カウンターで、選択した入力ピンでの変化を簡単に追跡し記録することができます。現在のカウントを表示し活動の履歴を保持することで、入力信号のリアルタイム・モニタリングを実現します。例えば工場のゲートの開閉を監視する際に、それぞれの動作がインパルスとして記録され、使用履歴が明確に残ります。これは、物理的なアクションやシグナルの変化の追跡がカギとなるようなIoTソリューションにおいて最適な機能です。
シリアル経由でのNMEAデータ伝送のスムーズ化
新機能により、シリアルインターフェースを通じてのNMEAデータ送信が簡単になりました。
これは、GPSデータの送信や海洋機器の統合などのIoTソリューションに最適です。
デバイス間のスムーズな通信を実現し、複雑なシステムのナビゲートやコネクティビティの強化に役立ちます。
Modbusアップデートで情報をリアルタイムで把握
Modbusもアップデートされました。IoTソリューションにメールアラート機能が追加され、システム内の問題やイベントを即座に通知することができるようになりました。これにより、産業プロセスの管理やIoTデバイスの監視がさらに便利になり、常時接続状態を保ちながら円滑な管理を実行できます。
Bluetoothアップデートで可能性を広げる
最新のBluetoothアップデートによって、テルトニカ EYEセンサー(BTSMP183CB02、BTSMP1ASCB02、BTSID1EXCB02、ELA Blue PUCK DI)など、多様なセンサーとの統合が可能になります。このアップデートにより、環境データの追跡から資産の監視まで、さまざまなIoTソリューションに高度なセンサーをスムーズに統合できるようになり、Bluetooth接続がさらに多用途になりました
Hotspot機能の更新でより高レベルなコネクティビティを提供
Hotspot機能では二つのアップデートが実行されました。新しいSMS OTPとMAC認証を組み合わせることでセキュリティが強化され、接続するデバイスにさらなる高レベルな検証をご提供します。また、デフォルトのDOH/DOTドメインをブロックリストに追加することで、ネットワーク・トラフィックの管理が強化され、すべてのユーザーに安全なブラウジング体験をご提供できるようになりました。
WireGuard QRコードで接続を簡素化
WireGuard QRコードの生成により、安全な接続の設定が簡単になります。この新機能では、WireGuardトンネル用のQRコードを作成し、WireGuardモバイルアプリで直接スキャンできます。手動設定なしでデバイスを迅速かつ直感的にに接続できます。
UI/UXの更新:簡単かつ高精度な機能を追求
ネットワークデバイス・ページで管理を強化
ネットワークエンジニアの皆さまは、「RUTM」シリーズデバイス向けの新しいネットワークデバイス・ページを利用することで、より良いモニタリングと制御を実現できます。この追加機能で内部ルーターのオプションを表示および設定するための集中型インターフェースを提供し、複雑なネットワーク設定を管理するプロセスが効率化されます。精度と効率性を求めるお客様にとって強力なツールとなります。
OpenVPN管理の新しいデザイン
OpenVPNトンネルの管理が、従来よりも直感的に行えるようになりました。OpenVPN WebUIページを完全にリセットし、トンネル作成と管理のプロセスを簡素化しています。この更新によりデザインと機能性の両方がアップデートされ、よりスムーズで効率的なユーザー体験および安全なネットワーク設定が可能となりました。
eSIM™のSIMスイッチパッケージサポートの強化
SIMスイッチパッケージページのデザイン更新により、SIMカードの切り替えがさらにスムーズになりました。この改良によりナビゲーションが簡素化され、視認性が向上し、最先端のIoTソリューションに欠かせないモバイルデバイスでのeSIM™設定管理がより効率的に実行できます。
スムーズなユーザー体験を実現するページ更新の簡素化
イベントログページには機能性と洗練を前面に出した新しいデザインが施され、視認性が向上し、ナビゲーションが簡単になりました。また、リレーページもユーザーの提案に基づいて改良され、設定を簡素化するための検証とオプションが追加されました。これらの変更により、ワークフローがよりスムーズでユーザーフレンドリーになりました。
ネットワークとセキュリティ強化
802.1Xサーバーサポートの追加
802.1Xサーバーサポートは、ネットワークソリューションに高度な認証機能をご提供できるようになりました。認証サーバーとして機能し、デバイスがネットワークに接続するクライアントの身元を確認できるようにします。
これにより、認可されたデバイスやユーザーのみがアクセスできるようになり、デリケートな環境でのセキュリティが大幅に強化されます。
「RUTM」シリーズのルーターや、「TRB2」、「TRB1」シリーズの単一ポートデバイスなど、さらに多くの製品にてこの機能が対応可能となりました。
これによって、特に産業環境でのアクセス管理にこれまで以上の制御機能をご提供できることになります。この機能を組み込むことでデバイスの安全性が高まると共に、現代のネットワーク・ニーズに対応できるようになります。
パスワード強度のカスタマイズ
システムの防御力を強化するために、設定可能なパスワード要件をご活用ください。この新機能では、ログイン資格情報に対して記号の数、数字、特殊文字などのルールを設定することでカスタマイズが可能です。これにより強固なパスワードを強制することでセキュリティを強化します。
最新のカーネルアップデート
信頼性と機能性において最先端であるためには、文字通り中核が重要です。今回当社ではさまざまなデバイスのカーネルバージョンを更新し、パフォーマンス、セキュリティ、および最新技術との互換性を向上させました。
「TRB1」および「TRB2」シリーズのデバイス、「RUT300」、「RUT360」、「TCR100」は、現在カーネルバージョン5.4.284で動作しています。「RUTX」および「RUTM」シリーズのデバイス、「OTD500」、「TAP200」は、カーネルをバージョン5.10.226にアップグレードし、これによって安定性が向上し、さらに進化した機能へのサポートが強化されました。
一方「TRB2」、「RUT2」、「RUT0」、「RUT9」シリーズ、「RUTC50」、「RUT301」、「RUT361」、「OTD140」、「TAP100」は現在カーネルバージョン5.15.167を搭載しています。このバージョンは最先端の改善が施され、最も要求の厳しいIoTソリューションにも対応できるようになっています。
最新のCVE更新による脆弱性対策
セキュリティは信頼のおけるネットワークの礎であり、潜在的な脅威に先手を打つことはとても重要です。このアップデートでは、特に5Gルーター「RUTC50」 に関連する脆弱性CVE-2024-44997に対処しました。この修正によりセキュリティ・フレームワークが強化され、既知の脆弱性からIoTソリューションを保護できるようになります。
RMSアップデートで制御機能を強化
プロキシサーバー経由のRMSを使用しての機器管理
テルトニカのデバイスをこれまで以上に簡単に「RMS(リモート・マネジメント・システム)」で管理できるようになりました。新しいアップデートにより、RMS管理接続がプロキシサーバーを介して可能になったためです。この機能強化は、特定の国や通信事業者が非標準のプロトコルやポートを使用したトラフィックをブロックする状況で特に重要となります。トラフィックを隠すかプロキシサーバーを通してリダイレクトすることで、これまで管理が難しかった地域でも、ユーザーはスムーズにデバイスを管理できるようになりました。
ゼロタッチデプロイの導入
ゼロタッチデプロイで、リモートデバイス管理の効率性と利便性をさらに高めることができるようになりました。このアップデートの中心には、アクションタグという機能があります。
アクションタグを使えば、大量のデバイスに迅速かつ簡単にタスクを割り当てることができます。
このイノベーションは、大規模な機器群を管理している場合に特に便利で、運用を大幅に簡素化しRMS体験を向上させます。
従来は、デバイスをシステムに接続してから指示を受ける必要がありましたが、アクションタグを使うことで、デバイスがRMSに接続される前にタスクを割り当てることができます。例えば、エンジニアがリモートサイトに到着し、デバイスを接続してその場で設定することなく帰るシナリオを想像してみてください。RMSのアクションタグのおかげで、すべてのタスクと設定はシステムを通じて事前に割り当てられます。
デバイスがインターネットに接続されるとRMSは自動的に設定を適用し、追加の操作なしで動作準備が整います。この効率化されたプロセスによって時間を節約し、エラーを減らし、展開を簡素化できます。これにより、大規模なIoT機器群の管理が効率的に行えるようになります。
まとめ
私たちは、RutOSの最新バージョン7.11をご紹介できることをとても嬉しく思っております。ユーザー様にもお喜びいただけることを願っています。今後のRutOSのバージョン更新にて追加してほしい機能、更新、改善点等がございましたら、ぜひご意見をいただけましたら幸いです。下記の「お問い合わせ」から忌憚(きたん)なきご意見をお寄せください!