概要
✔ 今回はイギリスの「Reskube」社の事例をご紹介します。同社は先進的なエッジコンピューティング・ソリューション企業で、常時稼働電源とインターネットを一台のデバイスに統合した、耐障害性インフラを提供しています。
✔ 「Reskube」社は、同社のエッジネットワーク・ソリューション製品「Reskube Edge E110」を効果的に利用するために、ネットワークの冗長性を確保しながら、遠隔監視/アクセス/管理機能を提供できる信頼性の高いモバイルルーターをお探しでした。
✔ 同社には、テルトニカの4G LTEルーター「RUT951」をお選びいただきました。この4Gルーター「RUT951」をテルトニカのマネージドPoEスイッチ「TSW202」と組み合わせて使用することで、「Reskube Edge E110」のネットワーク信頼性最大化を実現することができました。
課題 – 妥協のないエッジの耐障害性
IoTの未来は、エッジコンピューティングにかかっています。エッジコンピューティングとは、分散型コンピューティングモデルで、処理とデータの保存をデータの発生点(クラウドの外側であるネットワークのエッジ)に近づけることで、パフォーマンス、速度、リアルタイムのデータ分析を向上させる技術のことです。
2023年に159.6億ドルだったエッジコンピューティング市場規模は、2024年には214.1億ドルに成長しました。2032年には2,167.6億ドルに達する見込みで、年平均成長率(CAGR)は33.6%となっています。
上記の大きな数字を、実際のケースに当てはめて考えてみましょう。例えば、僻地にあるガソリンスタンドが停電してしまったとしましょう。ガソリンスタンドのスタッフでは技術的に対応できないため、外部のエンジニアが現場に来て修理する必要があります。もちろんエンジニアがガソリンスタンドから遠方にいる場合、修理にかかる時間は長くなります。もしそのスタンドがVoIP電話(インターネット電話)を使用していた場合、停電とともにオフラインになってしまうため、スタンドとの連絡が取れなくなる事態になるでしょう。
こうした「オフライン」状態が続くのは、ダウンタイムやビジネスの損失を引き起こす最悪のシナリオです。ダウンタイムをいかに短くするかということも大事ですが、まずは「オフライン」状態になることを完全に防ぎたいところです。
このよう事態を防ぐのが、当社のパートナー企業でもある「Reskube」社です。「Reskube」製品の「Reskube Edge E110」は、エッジコンピューティングによって、耐障害性電力およびインターネット接続を、シンプルに展開/リモート管理できるデバイスに統合した製品となっています。
しかし、このような耐障害性コネクティビティを実現するためには、「Reskube Edge E110」内に、耐障害性のあるモバイルルーターの組み込みが必須となります。
トポロジー
解決策 – エッジ用モバイルルーター
「Reskube Edge E110」のコネクティビティを確保するデバイスとして、テルトニカの産業用モバイルルーター「RUT951」をお選びいただきました。
RJ45接続を介して、「RUT951」に同じくテルトニカのマネージドPoEスイッチ「TSW202」を接続します。このマネージドスイッチは、SD-WANファイアウォール機能とクラスター化された仮想環境を有しており、VoIP電話、IPカメラ、ガス漏れセンサーなどのPoE対応のエンドデバイスに電力を供給できます。
では、このガソリンスタンドの停電シナリオをどのように解決できるのでしょうか。
停電が発生します。
瞬時に、「Reskube Edge E110」は内部バッテリーへの自動フェイルオーバーを開始します。これにより、接続されているすべてのデバイス(モバイルルーター、マネージドPoEスイッチ 「TSW202」、その他のエンドデバイス)にはひき続き電力が供給され、動作を継続することができます。
一方コネクティビティにおいては、LTEルーター「RUT951」が自動的にプライマリWAN接続からセカンダリSIM接続に切り替わります。最悪のケースでは、さらに別のISP(インターネット・サービス・プロバイダ)への三次SIM接続自動フェイルオーバーも可能です。その結果、停電中でもスムーズで中断なきインターネット接続を維持することができます。
このモバイルルーターのおかげで、管理センターからこのネットワークソリューション全体にいつでも遠隔アクセスできるとともに、遠隔管理を実施できます。遠隔アクセス/管理は、テルトニカのIoTプラットフォーム「RMS(リモート・マネジメント・システム)」を通じて行うことができます。RMSは、「Reskube」社のブランドに合わせて簡単にカスタマイズ・リブランディングできます。またRMSへの接続は、TLSで保護されたMQTT(RMS管理用)や、SSH、Telnet、RDP、HTTP、HTTPS、SFTP(RMS接続用)対応のプロトコルによって強化されています。
RMSはエッジコンピューティングの導入において重要な役割を果たします。というのも、RMSによりソリューションの管理が中央集約化され、リアルタイムでの監視やアラート、効率的なトラブルシューティングや保守、拡張性の向上が可能になるからです。
これらのリモート機能を実現するための核となるデバイスこそが、「RUT951」です。アルミニウム製筐体で製造され、動作温度範囲は-40℃~75℃という高耐久性の産業用モバイルルーターで、今回のような産業用途にぴったりのカスタマイズができるデバイスとなっております。
4Gルーター「RUT951」 で、エッジネットワークの耐障害性を強化し、ビジネスにおける障害やエッジケースに対応できるようにぜひご準備ください。
この事例で使われた製品
RUT9514G LTE (Cat 4), 3G, 2G
自動フェイルオーバー、バックアックWAN、その他のスイッチシナリオ付き
ホットスポット機能付きのワイヤレス・アクセス・ポイント
バックアップ接続への自動切換が可能