「STRATUS」社がテルトニカ・ネットワークスの「RUTX」デバイスを使用してSD-WANを展開
#rutx, #2024, #usecase
企業用のネットワークソリューションには、ネットワークの拡張性と信頼性があり高性能であることが最優先事項です。MPLS や SD-WAN のようなテクノロジーを使って、ニーズを効果的に満たすことが可能です。SD-WAN および MPLS とは一体何なのか、またSD-WAN と MPLS をどのように区別すればよいのかについて、この記事でご説明いたします。
近年、企業は多くの支店やリモートワーカーを抱えており、そのネットワークインフラを管理するのは、控えめに言っても大変で複雑なことです。この場合、ネットワークインフラ管理における懸念は技術、セキュリティ、管理的な課題から派生したものとなります。様々な場所に分散するエンドポイントをコントロールするためには一元管理（中央制御）が必要です。しかし、この一元管理はローカルネットワークの要件や条件にも合致する必要がある、という点が問題をより複雑にしています。
一元管理は、複数のリモート・エンドポイントを安全に制御する優れた選択肢ですが、SNMPのような従来の方法でそれを実現するには、より多くの手動設定が必要になります。結局のところ、これによってエラーやネットワークの脆弱性、不整合が発生しやすくなり、時間と人手がかかる非効率的なソリューションになりかねません。
MPLSとは？
このような課題のため、多くの企業ではMPLS（multiprotocol label switching）を使用しています。MPLSは、組織のWAN内で最短経路を使用してトラフィックをルーティングするように設定することで、より効率的な集中管理を促進するために使用されます。
このMPLS（multiprotocol label switching）によって手作業による設定の必要性やエラーを軽減し、ネットワークパフォーマンスとセキュリティを強化することができます。しかし、これにはそれなりの制約とコストが伴うことになります。
マルチプロトコル・ネットワークは一般的に維持コストが高く、物理的なインフラに依存しているため、ネットワーク需要の変化への適応性が低くなります。さらに、企業内ネットワークに対する詳細な可視性と制御性に欠けており、本質的にクラウドベースのサービスに直接接続するようには設計されていません。
そのようなわけで、最も利便性が高くかつ効率的で安全な一元管理を実現する方法は SD-WAN となります。
これは、トルコのイスタンブールにあるソフトウェアエンジニアリングおよび販売会社で、当社のパートナーでもある「STRATUS Bilişim Sistemleri」 社が実現したものです。同社は RutOS と WitchOS に含まれる当社のソフトウェア開発キット（SDK）を活用し、当社の ルーター「RUTX」 シリーズに SD-WAN 機能を実現するファームウェアである Qetra SDWAN の実装に成功しました。
SD-WAN とは何か？
SD-WAN は Software-Defined Wide-area Networking の略語です。データが通過するルーターやイーサネットスイッチのような物理的ハードウェアから、WANトラフィックの制御メカニズムやその他のネットワーク決定を分離する技術となります。SD-WAN はネットワークソリューションの頭脳を制御しているようなもの、といってもいいでしょう。
SD-WAN は MPLS と同様に、最も効率的なルートにトラフィックを誘導することで、WAN ネットワーク上のパフォーマンスとコストを最適化し、より効率的な方法を可能にします。しかし、SD-WAN は運用アーキテクチャと方法論が異なるため、MPLS とは異なる方法で確立されます。
MPLS はネットワークを通るあらかじめ決められた経路で動作し、リアルタイムで発生するネットワークの混雑に対応してパッケージの経路を動的に変更することはできません。それに対して、SD-WAN はネットワークソリューションのインフラストラクチャを継続的に監視し、リアルタイムのネットワーク状況に基づいて利用可能な最善の経路でトラフィックを動的にルーティングすることができます。
SD-WAN の主なメリット
SD-WAN （Software-Defined WAN） には様々な優れた点があり、特に企業で使用するインターネット要件には不可欠です。SD-WANの主なメリットには、使いやすさと集中制御に対する有効性が挙げられます。
SD-WAN はリモートエンドポイントの WAN 管理を自動化／簡素化します。数回の初期設定をするだけで、ネットワーク・インフラ全体を常に可視化することができるようになります。またクラウドベースのアプリケーションに対応できる点でも優れています。
SD-WANは MPLS のような他のソリューションよりもはるかに安価であるため、セキュリティやネットワーク調整に非常に便利です。また、ファイアウォールとデータ暗号化機能が統合されており、物理的なインフラストラクチャに変更を加えることなく、帯域幅の需要などさまざまなニーズに素早く適応できる柔軟性があります。
テルトニカ・ネットワークスのデバイスはSD-WAN対応している？
テルトニカ・ネットワークスのデバイスはそれ自体ではSD-WAN対応とはなっておりません。しかし、「STRATUS」社とのコラボレーションにより、適切なソフトウェアが含まれている限り、当社のデバイスでSD-WAN対応できることを示す事例を発表させていただきました。
フェリーの乗客のためのデュアルバンド Wi-fi ルーター接続の事例では、「STRATUS」社 が当社のLTEルーター「RUTX12」 を使用して、イスタンブールのフェリーに乗客間で共有されるネットワーク接続を装備する方法を紹介しています。ここでは、乗客の携帯電話からインターネットへのデータパケットをルーティングし、パケットを迅速かつスムーズに配信する上で、SD-WANが重要な役割を果たしています。
「STRATUS」社はどのようにSD-WANを導入したのか？
最も重要なことは、当社のRutOS上で動作するSDK機能がなければ、このようなことは不可能だということです。当社の4Gルーター「RUTX12」 は RutOS 上で動作するため、「STRATUS」社 は SDK 機能を使用して Qetra SDWAN を統合することができました。
また、「STRATUS」社がSD-WAN技術を有効にできるのは、SD-WANの効率的な運用に必要なメモリ要件、CPU、フラッシュストレージ機能を満たす「RUTX」シリーズ・デバイスだけであることに留意するのも重要です。
この 「STRATUS」社 の Qetra SDWAN により、Software-Defined WAN はすべての LTE ルーターの管理と設定を中央から行うことが可能になりました。さらに、新しいデバイスを追加することも簡単に可能です。
SD-WAN の拡張性の高さがそれを可能にするのです。この技術で、従来の WAN ネットワークソリューションで一般的に行わなければならなかったインフラ変更に対処することなく、新しいネットワーク接続サイトやデバイスに対応することができます。
「STRATUS」社の最高執行責任者（COO）であるErkan Tuğral氏は次のように付け加えています： 「このような設定は、フェリーのようなモバイルケースにのみ関連するわけではありません。店舗やオンライン小売業者のような小規模企業も、SD-WANが提供する集中管理から恩恵を受けることができます。このテクノロジーを手にすれば、必要なインフラサービスにアクセスして分析し、大規模な運用のスピードを上げ、運用コストを最小限に抑えることができます 」
「RUTX」シリーズの強み
「RUTX 」シリーズは、お客様のネットワーク・ソリューションのニーズに様々な面で満たすものとなっています。堅牢で高性能なだけでなく、カスタマイズが可能で想像をはるかに超えて皆さまをサポートいたします。
当社の製品に関して、ご不明点やご質問がございましたら、下記の「お問い合わせ」からぜひお気軽にご相談ください。
