Wi-Fiメッシュ技術で「Wi-Fiデッドゾーン」をなくす方法
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どんなIoTソリューションにおいても気になるのは、Wi-Fiカバレッジ(セル範囲)に把握する際に出現する「デッドゾーン(死角)」でしょう。「デッドゾーン」とはワイヤレス・ネットワークのシグナルが弱い/途切れているエリアのことを指します。しかしこの状況は、ネットワーキング機器の適切な配置とWi-Fiメッシュ技術を使って、簡単に解決することができますのでご安心ください。下記にくわしく解説いたします。
「Wi-Fiデッドゾーン」とはワイヤレス・ネットワークのシグナルが届かない場所のことを指します。このようなエリアでは、インターネットがつながらず、ウェブサイトの閲覧やデータファイルの送受信ができなくなることは、想像に難くありません。
一般的に「Wi-Fiデッドゾーン」はスマートホームやオフィスに関連する分野でよく話題に上がるのですが、じつはこの問題は産業用アプリケーションでも起こりがちなのです。機械間のデータ伝送にWi-Fiが必要な場合、「デッドゾーン」問題は避けては通れません。
世の中には様々なIoTソリューションがありますが、「Wi-Fiデッドゾーン」を引き起こす独自のトラブルに各々対処する必要があります。興味深いことに、これに関しては「家庭用IoT」と「産業用IoT」に間に大きな差はなく、両分野で似たようなトラブルに直面しがちです。
「Wi-Fiデッドゾーン」が発生する原因
一般的に「Wi-Fiデッドゾーン」を引き起こす最大の原因は、ルーターの周囲の状況にあります。まずは単純にルーターを設置する場所が悪い、ということが考えられます。
物理的にWi-Fiシグナルを妨害したり、完全に吸収してしまうような物体がルーターの周りにある場合、それが原因になることもあり得るでしょう。
例えばビルの壁や構造の補強材として広く使用されているレンガや金属は、Wi-Fi電波を妨げることで有名です。
だからこそ、建物内でルーターの配置を考える際に気をつけなければいけません。深く考えずに設置すると、シグナルの分配や物理的な物体の干渉が起き、ワイヤレスシグナルがほとんど役に立たなくなってしまう恐れがあります。
また一般的に、個々のネットワーク・デバイスはそれぞれスペックが異なり、同時に対応できるデバイス数やきちんと管理できるネットワーク・パフォーマンスには限界があります。
そのため、Wi-Fiのデッドゾーンの出現を避けるには、使用している接続デバイスの能力をきちんと考慮することが重要です。ネットワーク・トラフィックを管理し、デバイスの混雑を処理し、接続されたデバイス間でネットワークの均等な分配を確保するような接続デバイスが必要になるでしょう。
「Wi-Fiデッドゾーン」をなくす方法
「Wi-Fiデッドゾーン」が発生するのが周りの環境のせいなら、建物自体を変えなきゃいけないの?と思われるかもしれません。でもご安心ください。ビルの立て直しは必要ありません。Wi-Fiメッシュ技術と互換性のあるネットワーキング・デバイスを使用すれば、建物全体にWi-Fiシグナルを均一の分配することが可能だからです。
Wi-Fiメッシュ技術は、ルーターやアクセス・ポイントと組み合わせることで、ネットワークのエンドポイント間で内部通信を実現し、建物全体に均一なネットワーク・カバレッジを提供することができます。ただしこの内部通信を可能にするには多くの追加機能が必要となります。
なぜWi-Fiメッシュを使うべきなのでしょうか?
テルトニカ・ネットワークスの産業用ルーター「RUTX10」のようなデバイスでは、Wi-Fiメッシュ技術によりWi-Fiノードを設定し、バックアップ設定を使用してメッシュネットワーク内の複数の接続デバイスに同じ設定を適用することができます。これにより、異なるノード間で均一な設定が保証されるだけでなく、全体的な管理プロセスも簡素化することができます。
また、1つまたは複数のデバイスがダウンした場合に、代替トラフィックの再ルーティングを容易にするネットワーク・アーキテクチャを確立することで、ネットワークの継続的なパフォーマンスをより制御できるようになります。
同時に、Wi-Fiメッシュにより、デバイスは各エンドポイントが動作するための最適なチャネルを自動的に選択し、干渉や混雑の可能性を最小限に抑えることもできるのです。
テルトニカ・ネットワークスののルーターでWi-Fiメッシュを設定する方法
テルトニカ・ネットワークスのルーターは「RUT300」、「RUTX08」、「RUTX09」を除いてすべてにWi-Fi メッシュ技術を搭載しています。また当社のWikiナレッジベースでは、Wi-Fiメッシュ設定例をご紹介しています。ここでは当社のゲートウェイおよびルーターに搭載されている社内オペレーティングシステム「RutOS」を使用してWi-Fiメッシュを有効にする方法を順序だててご紹介します。
上記の例では、メッシュゲートウェイ(DHCPサーバーとして動作し、WANネットワークとLANネットワーク間のブリッジとして動作し、ふたつのネットワーク間のトラフィックの管理とルーティングを担当するプライマリノード)と、通常のノードとして動作するメッシュに関与する残りのルーターの両方の設定を紹介しています。
その後、設定が正しくできたかをチェックする方法をご紹介します。ひとつ目は「pingテスト」で、メッシュゲートウェイからノードのひとつに接続されたデバイスにICMPエコーリクエストを送信する方法です。ふたつ目は接続されたデバイスを使用してカバレッジ・エリアを散策し、インターネット・シグナルの強度が安定しているかどうかを確認する方法です。
Wi-Fi メッシュの使用事例
Wi-Fiメッシュ技術が実際にどのように機能するかをイメージしていただくために、スマート・オフィスおよび産業分野に関する事例をご紹介いたします。ひとつ目は、インターネットが必要な機器にWi-Fiメッシュを使用して、堅牢で中断のないネットワーク接続を確実に供給することで、サステナブルなオフィス環境を保つ方法についてです。下記図の左側をクリックしてご覧ください(現在は英文のみとなっております、ご了承ください)。
ふたつめの事例はWi-Fiメッシュ技術で、各機器の動作を維持しつつ、産業用倉庫や遠隔地の倉庫の自動化を推進する方法をご紹介いたします。下記右図をクリックして事例をご覧ください(現在は英文のみとなっております、ご了承ください)。