テルトニカ・ネットワークス、第1回技術サミット 「TECH SUMMIT」を開催
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先日、当社テルトニカ・ネットワークスは、はじめての技術サミット「Tech SummIT」を2日間にわたり開催しました。IoT技術に特化したこのサミットは、私たちのエンジニアリング・コミュニティと密接な関係を構築する場となりました。当社製品のソフトウェアおよびハードウェアの両方に焦点をあて、最高の品質とセキュリティ基準を目指す当社の取り組みを裏付けることができたと考えております。
「Tech SummIT」ではワークショップ、プレゼンテーション、テルトニカ・ネットワークスの戦略的ビジョンのロードマップの紹介など様々なイベントが催されました。さらに参加者の皆さまは当社の製造施設の「裏側」をご見学されたり、当社のCEO/CTO/研究開発および製造における責任者との特別なQ&Aセッションにご参加いただきました。
今回参加されなかった方のため、イベントのまとめを作成いたしました。それでは早速、テルトニカ・ネットワークス「Tech SummIT」の内容をごらんください!
リトアニアの花が由来の「RutOS」
当社が開発したOS「RutOS」は、リトアニアの国花「rūta」にインスパイアされ命名されました。テルトニカ・ネットワークス中東地域の技術サポート責任者、ヴィダス・カセラウスカスが登壇した「RutOS」のプレゼンテーションは、間違いなくこのサミットのハイライトでした。「RutOS」の進化とセキュリティ面の複雑さについてのプレゼンテーションは、示唆に富むものでした。
このプレゼンテーションでは、「顧客のニーズに基づいて製品を開発する」というテルトニカ・ネットワークスの基本原則が強調されました。実際に当社では、製品や機能を開発する際よくお客様とコミュニケーションをとり、実装プロセスにおいてそのフィードバックやニーズを考慮に入れます。これにより、IoT市場においてお客様が求めているものを的確にお届けすることができるのです。
RutOSの歴史とセキュリティ
RutOSの歴史を振り返ってみましょう。かつて、テルトニカ・ネットワークスのデバイスは、さまざまなOSによって運用されていました。しかし、このフェーズは短期間で終わり、私たちは独自のオペレーティングシステムを設計することを選択しました。
これによって効率を高め、より広範なデバイス製品ラインナップを充実させるための拡張機能の開発にリソースを集中させ、クライアントのためのユーザーエクスペリエンスを簡素化することが目的でした。単一のオペレーティング・システムを導入することで、当然ながらデバイス群全体のアップデートも、ばらばらのシステムを使用していたときと比べて簡単かつ迅速に実施できるようになりました。
RutOSおよびRMSの新バージョン開発のたびに研究開発チームが実施する、厳格なセキュリティ対策についてもサミット内で説明させていただきました。当社チームはソフトウェア開発サイクルに取り組む際、安全なソフトウェア開発ライフサイクル(SDLC)のアプローチを適用するだけでは十分とは判然せず、各メンバーの最高レベルの熟練度を保証するために、社内のサイバーセキュリティ・トレーニング対策を追加しました。
RutOSの各機能は、このような幅広い対策とプロセスを経て完成されており、私たちはデータの漏洩/侵害からお客様のソリューションを守ることに全力を尽くしていますので、ご安心ください。
カセラウスカスからプレゼンテーションの最後に、RutOSの最新バージョン7.05のプレビューの紹介がありました。IoTエンジニアの皆さまにRutOSの未来をご覧いただけたかと存じます。
RMSで業務の効率化が可能に
RMSで業務の効率化が可能になれば、それはもちろん誰にとってもうれしいことです。RMSのプロダクト・マネージャーであるトーマス・ミコライティスから、現在アマゾン・ウェブ・サービス (AWS)上でホスティングされているRMSのIoTクラウドプラットフォームについて発表させていただきました。トマスのプレゼンテーションにおいてのポイントは、このプラットフォームを利用することでどれだけ時間を節約できるか、そしてネットワーク・ソリューションのリモート管理とモニタリング機能を実現することがどれだけ便利かを示したことです。
これらはRMSを使用する大きな利点です。しかし、このプレゼンテーションではさらに、RMSを単なるツールではなく、指先一つで利用できる「ツールボックス」になぞらえ、RMSに搭載されているさまざまな追加機能についてフォーカスしました。
RMSはFOTA、プロキシ、VPNサーバーとして機能し、デバイスの設定やオンボーディング・ツールとして使用することができます。これは特に、変動するスケーラビリティへの柔軟性が必要なネットワーク・ソリューションにとって、使いやすい機能となります。さらに、RMSは特定のユーザーへの細かな役割/アクセス割り当てによる共有管理に使用ができる、というメリットもあります。
ミコライティスはさらに、これらのサービスがクレジットまたはパッケージで購入でき、プラットフォーム全体ではなく特定のサービスのみへの割り当てが可能であることに触れました。実際にその通りです。RMSが持つ確かな機能に関して最も重要なのは、すべてのサービスを一度に購入する必要はなく、ニーズに合わせて特定のサービスを選択できるということです。
パートナー様のプレゼンテーションとロードマップ
当社のパートナーである「Bondix Intelligence」社と「QuWireless」社をお招きし、各社製品とサービスの実演説明をしていただきました。また、「Bondix Intelligence」社の接合サービスや「QuWireless」社のアンテナと、当社のデバイスがどのようにシームレスに統合されているかもご紹介しました。
「Tech SummIT」の初日は、ネットワーク製品の戦略的ビジョンに関するプレゼンテーションで幕を閉じました。当社のマンタス・シザウカスが登壇したこのプレゼンテーションでは、ご参加いただいたエンジニアの皆様に、今後当社から発表予定の新製品情報などを含む、当社の今後の展望についての情報を「チラ見せ」させていただきました!
プレゼンテーションを超えて
「Tech SummIT」では、ワークショップにも重点を置きました。スマート交通管理、公共交通機関のコネクティビティ、トラフィックの分割とフェイルオーバー、小規模オフィスのインフラ、究極の管理ツールとしてのRMSなど、さまざまなトピックをご紹介させていただきました。
これらのワークショップでは、ご参加いただいた各エンジニアの皆さまと当社エンジニアによる、一対一でのディスカッションも開催されました。提示された事例を深く掘り下げると同時に、その他さまざまなトピックについてディープな意見が飛び交う非常に意義のある場となりました。
私たちは、テルトニカ・ネットワークスの全貌をお見せするため、特別にリトアニアにある当社製造施設の見学ツアーも開催しました!このツアーにご参加されたエンジニアの皆さまには、当社のデバイスに生命を吹き込む高精度SMTラインや高度なロボットシステムはもちろんのこと、製品を最高の品質仕上げる、熟練したモノづくりのプロフェッショナルの仕事ぶりもご覧いただきました。
最後に、テルトニカ・ネットワークスのCEOであるゲドリウス・クカウスカス、CTOのマンタス・シザウスカス、モレタイ技術センターの責任者であるパリウス・ルカウスカス、プログラマーの責任者であるジンタウタス・ベゼンキス、プロセスエンジニアのジギマンタス・スラピカスを交えたQ&Aセッションによって「Tech SummIT」は正式に閉幕となりました。 参加されたエンジニアの皆さまからは、「あなたにとって『成功』とは何ですか?」というような質問から、「テルトニカ・ハイテック・ヒルでどのような半導体を製造する予定ですか?それは、製品の機能や供給体制にどう影響するでしょうか?」というような込み入ったものまで、自由な雰囲気の中様々な質問が飛び交いました。このような鋭い質問によって、聴衆とQ&A主催者側の間で、他では経験できないような豊かな議論が巻き起こりました。
さらなる高みへ
今回のテルトニカ・ネットワークス「Tech SummIT」開催の原点は、当社のパートナーであるエンジニアの皆さまと当社のエンジニアが連携を深めるためのプラットフォームを提供することでした。また、当社のチームにとっては、これまで携わり成果を出したプロジェクトを紹介する場ともなりました。
このイベントを終えて、私たちはパートナー様、クライアント様、そして特にこのサミットを可能し、本当に素晴らしいものにしてくれたテルトニカ・ネットワークスの関係者に深く感謝しています。今回のサミットから引き出されたインスピレーションにより、さらなるイベントを企画していきたいと考えております。