EV充電スタンド管理の課題 ー リモート管理に最適な4G LTE ルーターはこれ!
#4g, #products
現代社会におけるモビリティの一環として、ますます存在感が高まるEV(電気自動車)。日本も例外ではなく、需要が増えつつあります。そんな中で今重要な課題となっているのが、「電気自動車充電スタンド」の設置とその「管理」です。今後日本の津々浦々に設置されるであろう公共のEV充電スタンドを、効率よく管理する必要がでてくるでしょう。この課題をどのように解決することができるのでしょうか?
右肩上がりのEV充電スタンド需要
日本国内において、EVの需要は増加の一途をだどっています。日本自動車販売協会連合会の発表によると、2022年のEVの国内販売台数は、前年度の3倍超となる7万7238台で、乗用車に占めるEVの割合は2.1%に達しました。今後も確実にEVの比率は増加し、2030年にはその割合が20%に達すると見込まれています。あと6、7年のうちに国内を走る乗用車の5台に1台が電気自動車になる、と予想されているわけです。
このように電気自動車が増えていくと、それに伴う課題がでてきます。そのひとつがEV充電スタンドをどうするか、というもの。ガソリン車にはガソリンを入れるように、電気自動車には充電が必要です。日本政府は、2021年に発表した「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」において「2030年までに公共用の急速充電器3万基を含む充電インフラを15万基設置する」という目標をかかげました。数年後には、街のいたるところで公共のEV充電スタンドをみかけるようになるはずです。しかし、このEV充電スタンドには課題があります。それは、「どのように管理するのか」という問題です。
欧州ではEV充電スタンドが故障ばかり?
ここで海外におけるEV充電スタンドの現状を見てみましょう。日本よりEVが普及している欧州では、2035年までにEVの販売台数が1億3000万台になると予想され、さらなるEV充電スタンドの増設が必須の課題となっています。
ところが、現在すでに稼働しているEV充電スタンドの中に、管理が行きとどかず機能していない事例が多くみられています。例えばBloomberg誌には、2021年にフォルクスワーゲンのCEOであるハーヴァード・ディエズ氏が遭遇した、EV充電スタンドに関するエピソードが掲載されました。
EVでイタリアを旅行したディエズ氏は、イタリアとオーストリアを結ぶブレンナー峠を走っている際充電が必要になったものの、空いているEV充電スタンドを見つけられなかったようです。結局、南下してイタリアのトレントまで走り続けたそう。トレントでようやくEV充電スタンドにたどり着いたものの、ディエズ氏いわく、そこは「トイレもコーヒー(売店)もなく、充電器は故障して使えない」という悲しい状態だったようです。
使い勝手が悪すぎるEV充電スタンド
アメリカの調査会社「J.D.Power」が2022年1月から6月にかけて電気自動車およびプラグイン・ハイブリッド車の所有者1万1554人を対象に実施した「電気自動車の公共充電体験調査」によると、回答者の5人に1人は、公共のEV充電スタンドをみつけても結局充電できなかった、という経験をしていました。そのうちの72%が、充電機器の故障やサービスの停止がその原因だった、と回答したのです。
「EV先進国」である欧米諸国において、公共のEV充電スタンドに関するユーザー・エクスペリエンスが極めて悪い状況であることは、無視できない現実です。EV充電スタンドにたどりつくまで、その充電器が使えるかどうかわからないというのは利用者にとってたいへんストレスになります。また料金支払いの方法が統一されておらず不便であることも見逃せません。
利用者が公共のEV充電スタンド利用に関して、リアルタイムの情報にアクセスできるような環境を整える必要があります。つまりEV充電スタンドがどこにあるのか/故障中なのかそうでないのか/料金がいくらなのか等の情報をユーザーがすぐに取得し、さらにスムーズに支払いができるようなシステムを導入しなければなりません。
これを実現するには、EV充電スタンドの設備に安定性/信頼性のあるインターネット・アクセスを搭載することが不可欠です。どのようにこの課題を解決できるのでしょうか?
EV充電スタンドの「リモート管理」事例
当社テルトニカ・ネットワークスは、欧州においてEV充電スタンドに安定性/信頼性のあるインターネット・アクセスをご提供してまいりました。
例えば、EV充電スタンドメーカーのElinta Charge社(リトアニア)には、当社の産業用4G LTE ルーター「RUT240(*1)」を導入いただき、EV充電スタンドからデータを収集し、クラウドベースの管理システムでリモート管理することできるようになりました。
この事例の詳細については、こちらまたは左図のトポロジをクリックしてご覧ください。
また、Circontrol社(スペイン)様にも、同様に4G LTE ルーター「RUT240(*1)」を導入いただきました。「RUT240(*1)」を組み込んだことで、同社のクラウドベース・プラットフォーム「COSMOS」が監視やレポーティングのためにEV充電器からデータを収集/保存することができるようになりました。
またこのEV充電スタンドにおけるユーザー登録や解除、権限やプロファイルの管理等をリモート管理できるようになったのです。この事例の詳細については、こちらまたは、右図のトポロジをクリックしてご覧ください。
さて、海外でのEV充電スタンド事情およびソリューションをご紹介してまいりました。政府は国の方針として、2035年までに乗用車の新車販売において、電気自動車の比率を100%にする、という方針を打ち出しています。このEV充電スタンドの管理に関する課題は日本でもほぼ確実に起こると考えるほうが自然でしょう。
さらに、日本は少子高齢化による労働力の不足が今後加速していくと考えられます。街中に展開するEV充電スタンドを人手をかけずにどのように管理していくか、というのはIoTによるDX(デジタル・トランスフォーメーション)における一分野として、非常に重要な課題であるといえます。
(*1)誠に勝手ながら、産業用4G LTE ルーター「RUT240」の新規ご注文は、2023年7月31日で終了となりました。今後は代替製品である「RUT241」をご利用いただけます。
EV充電スタンド管理に最適な4G LTE ルーター「RUT241」
4G LTE、Wi-Fi、イーサネットポート2つを搭載する産業用4G LTEルーター「RUT241」は、EV充電スタンドを容易に管理するために必要な機能をすべて備えています。自動WANフェイルオーバーにより、常時接続を保つことができるのが特徴です。
また産業用に設計されており、非常にコンパクトでどのようなソリューションにおいても簡単に組み込むことができるようになっております。複数の接続インターフェースを持ち、当社のRMS(リモート・マネジメント・システム)との互換性もございます。これら特性により様々なIoTおよびM2Mソリューションにとても適したデバイスとして、様々な企業様にご利用いただいており、当社が自信をもってお勧めする製品でございます。
産業用4G LTE ルーター「RUT241」の製品詳細につきましては、こちらをクリックしてご覧ください。製品についてのご質問、その他ご不明点等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。