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産業用5G対応ルーターの使い方を徹底解説【事例付き】

#5g, #iot

February 28, 2024

5Gルーターとは、第5世代移動通信システム(5G)の高速通信を活用したネットワーク中継器のこと。5Gに対応しながら、4Gや3G通信にも使用できる仕様になっているものもあります。この記事では「5Gとは何か」というそもそもの疑問から、4Gルーター(LTEルーター)やWi-Fiルーターとの違い、さらに5Gルーターを使用したソリューション事例などをまとめて解説いたします。これを読めば、5Gルーターについての理解がぐんと深まります!

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5Gルーターの「5G」とは?

そもそも、5Gルーターの「5G」とは何なのでしょうか?「5G」とは、第5世代移動通信システムと呼ばれる通信規格の一つです。例えばスマートフォン(携帯電話)を利用するときに、画面の右上に「5G」という文字が表示されているのを、みたことがありませんか?

これは、「5G」という移動通信の通信規格を利用して通話やインターネット通信をしていることを指します。ちなみに、「4G」や「3G」、「LTE(3.9G)」も同じく移動通信規格です。単純に数字が大きくなればなるほど、通信におけるキャパシティも大きくなる、と考えてください。

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これらの移動通信のネットワーク電波のしくみはどうなっているのでしょうか?実は全世界の様々な場所に、移動通信の無線基地局が設置されています。日本でいえば、誰もが知っているドコモやau、ソフトバンクなどのモバイルキャリア(携帯電話会社)またのその他の通信会社がそれぞれ自社の基地局をもっているのです。この基地局を利用して、ネットワーク通信をするのが「移動通信」のしくみです。


2024年の春には、首都圏などのエリアで一部キャリアの5Gが急拡大する予定で、今年こそが「本当の5G元年」になるといわれています。5Gネットワークの使用がますます本格化していくことは間違いありません。


では、「5G」および「5Gルーター」によって具体的にどのようなことが可能になるのでしょうか。

5Gで可能になること

国際連合の専門機関「国際電気通信連合」無線通信部門(ITU-R)が策定したレポート「IMTビジョン勧告」の中で発表された5Gのコンセプトは「高速大容量」、「高信頼・低遅延通信」、「多数同時接続」です。詳しく見てみましょう。

1.      高速大容量(eMBB:enhanced Mobile Broadband)

端末ごとに電波を割り当てる「Massive MIMO」というアンテナ技術と、「ビームフォーミング」という基地間の干渉を抑えて遠距離に高速で通信可能な技術を組み合わせることで、高速大容量を実現します。

2.     高信頼・低遅延通信(URLLC:Ultra-Reliable and Low Latency Communications)

「エッジコンピューティング」技術を使い、デバイスからサーバーまでの距離を物理的に縮めます。これによってよりリアルタイムな、つまり低遅延な通信が可能になるのです。

3.     多数同時接続(mMTC:massive Machine Type Communication)

「グラントフリー」という技術を使い、デバイスと基地局間の通信形態をシンプルにすることで通信の混雑を和らげます。これによって、ひとつの基地局に多数のデバイスを同時接続することが可能になります。

実際に、移動通信のひとつ前の世代「4G」と「5G」を比較してみましょう。「5G」は、通信速度が「4G」より約20倍速く、遅延が10分の1であるといわれており、「4G」の10倍のデバイス数で同時接続することができます。このように、さまざまな角度から通信の質が向上することで、これまでのネットワーク通信技術では不可能だったネットワーク・ソリューションが可能になるのです。

例えば「5G」を使用すれば、大容量の動画をほんの数秒でダウンロードできるようになる、というのは皆さんもご存じなのではないでしょうか?また、ネットワークの遅延や切断が決して許されないような場面では、「5G」が大きな威力を発揮します。例えば、完全自動運転など自動運転技術の飛躍的な進歩や遠隔手術、マンパワーを抑えた農業の自動化など、「4G」では実現に難のあったソリューションも、「5G」の登場により可能になるのです。

5GルーターとWi-Fiルーターの違いは?

ここで、5GルーターとWi-Fiルーターの違いについても簡単に触れさせてください。5GルーターとWi-Fiルーターはどちらも無線通信用のルーターでありながら、通信技術と使用範囲に違いがあります。5Gルーターは、WAN(ワイド・エリア・ネットワーク)を使用してデータを転送します。

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各モバイルキャリア(日本でいえばドコモ/auなど)や通信会社等が所有する基地局を介して飛んでくる5G電波をキャッチしてインターネットに接続するため、長距離を移動中でも高速なインターネット接続が可能で、広いカバレッジを持ちます。


対してWi-Fiルーターは局所的な無線LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)を利用します。このため、また5Gは高速で大容量のデータ転送、低遅延を実現することができるのに対して、Wi-Fiは比較的短い距離での使用に適しており、速度も5Gに比べると劣る、という傾向があります。

「不可能」を「可能」にする5G対応ルーターの使い方

さて、これまでの移動通信(4G、3G等)では、「不可能」であったソリューションが5Gによってどう「可能」になるのでしょうか。いくつか事例をご紹介します。

1)5Gネットワークで子供の習い事を遠隔視聴

親御さんにとって、お子さんが元気にスポーツをしている姿をみることほど、嬉しいことはないでしょう。しかし子供の習い事の練習や大会をいつも見に行ける、親御さんばかりではないかもしれません。そんなときライブ配信を活用して遠隔で子供の活躍を見ることができれば便利ですよね。

ライブ配信で、最もストレスになるのは、ストリーミングが途中で止まってしまうことではないでしょうか。そのため、超低遅延を保証しながら、リアルタイムの連続した重いデータスループットを処理することができるネットワーク通信が必須です。5Gルーターを使用すれば、遅延なきライブストリーミングが可能です。どのようにソリューションを構築したのでしょうか。詳細は、こちらまたは下記のトポロジーをクリックしてご覧ください。

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2) 5Gで倉庫の自動化を実現

倉庫事業は2024年末までに、3億ドル以上になると予測されている成長市場です。倉庫の中で最もオペレーションが難しいとされるのは、包装工場のラインでしょう。多くのタスクが一度に発生するため、ネットワークが最適化されていなければ、すぐにオペレーションがとん挫してしまいます。しかし倉庫というものは、たいてい郊外エリアに位置しており、そのせいでインターネット接続が課題となります。この場合も5Gルーターを使用して、遅延性を一桁ミリ秒に抑えた、高速ネットワーク通信を確立することが可能です。詳細についてはこちらまたは下記のトポロジーをクリックしてご覧ください。

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3)スマート農業と無人トラクター

2022年に130億6000万ドルだったスマート農業の世界市場規模は、2023年には年平均成長率12.5%で146億9000万ドルまで成長すると予想されています。実際に農業を「スマート化」するにあたって、無人農業トラクターのような農業機器には広帯域と低遅延が求められています。5Gルーターで、どのようにこのニーズを達成できるのでしょうか。詳細についてはこちらまたは下記のトポロジーをクリックしてご覧ください。

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5Gルーターならテルトニカ・ネットワークス

産業用IoTのネットワーク機器の世界的メーカーであるテルトニカ・ネットワークスは、様々な産業用ネットワーク接続デバイスを製造・販売しており、5Gルーターも取り扱っております。産業用5Gルーター「RUTX50」は最大速度3.4Gbps、また「RUTM50」は最大速度が3.3Gbpsで、両製品ともSA & NSAの両アーキテクチャでの5Gインフラ活用が可能です。

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また、後方互換性があり、また4G/LTEや3G対応ルーターとしてもご利用いただけます。(これらの5Gルーターに関しましては、まだ日本では発売いたしておりませんが、「RUTM50」は、現在技適承認の申請中で、近いうちに日本でもご利用いただける予定です。適宜情報をアップデートさせていただきます。)


その他製品のラインナップも大変充実しており、お客様のニーズに合わせた製品のご紹介が可能です。


当社の5Gルーターは筐体がアルミニウム製で、非常に堅牢です。温度耐性の幅も―40℃~75℃と大変広く、どんな産業用途にも安心してご利用いただけます。当社は本社がリトアニア共和国にございます。いまでは世界21カ国31カ所にオフィスを構え、当社の製品は180カ国でご利用いただいております。日本では、技適承認済みの19製品を販売しており、商品ラインナップはこれからも増えていく予定です。


もし当社の製品にご興味をもっていただけましたら、ぜひ下記の「お問い合わせ」からご連絡ください。また、ご不明点やご質問もお気軽にご連絡いただければと思います。

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