概要
✔スマート農業は5Gの方向に向かっており、無人農業トラクターのような農業機器には広帯域と低遅延が求められています。
✔テルトニカ・ネットワークスの5Gルーター「RUTM50」は、最大3.4Gbpsの超高速セルラー通信と幅広いネットワーク信頼性機能により、スマート農業トラクターに必要な高水準のニーズを満たします。
✔「RUTM50」はNTRIP対応となっており、メインコントローラーがNTRIPサーバーと通信し、トラクター機器の正確な追跡に必要な補正を受け取ることができます。
挑戦 ― スマート農業と明日の世界
間違いなく、農業の未来は「スマート化」です。一言で言えば、スマート農業とは農業分野でのIoT、AI、自動化の応用であるといえるでしょう。2022年に130億6000万ドルだったスマート農業の世界市場規模は、2023年には年平均成長率12.5%で146億9000万ドルまで成長すると予想されています。この成長が今後数年でさらに高まることは、明らかです。
この成長の要因として、農業におけるIoT用の5G技術の急激な普及が挙げられます。この技術によって、農業トラクターなどのスマート機器と5Gネットワーク間のリアルタイム通信に必要な広帯域幅と低遅延が実現します。その結果、より多くのトラクターが広いカバーエリアで自律的に動作することが可能になり、同時に遠隔操作もシンプルで信頼性が高く、安全なものになります。
これらは理論上の話ではありません。スマート農場の収量と効率を向上させる大変現実的なIoTシステムとして、この瞬間にも北米中で実際に稼働しています。もし御社の農場がまだ5Gに移行していなければ、早晩競争に勝てなくなる可能性があります。
もちろん、このインフラの中核にあるのは、すべてのスマート機器を接続し、データをスムーズに流すためのネットワーク通信です。この際、ネットワーク・デバイスの選択は非常に重要です。テルトニカ・ネットワークスはこのケースに最適なデバイス、5Gルーター「RUTM50」をご用意しています。
ソリューション ― 5Gルーター「RUTM50」
「RUTM50」は北米市場向けのFCC認定5Gルーターです。最大3.4Gbpsの超高速セルラーを特徴とし、SAとNSAの両方の5Gアーキテクチャ対応となっております。
この5Gルーターをトラクターの運転室または屋根の上に設置し、そこからイーサネット接続で、農業トラクターのメインコントローラーに接続します。その後コントローラーは、トラクターが効率よく自律的に動作できるようにするための様々なスマートデバイスに接続されます。
これらのデバイスの中には、プラウ、作物噴霧器、トラクターの他の部分に電力を供給し制御するための油圧および電動アクチュエータ、圃場の環境条件を評価するための土壌および天候センサー、障害物を検出し衝突を回避するためのデバイス(GNSSおよびINSシステム、レーダーおよびライダーシステム、超音波センサー、カメラなど)が含まれます。
これらすべてのデバイスを使用して、トラクターはその環境のモデルを作成し、自律的に従う安全で効率的な経路を計画します。予期せぬハードウェアの故障など、何らかの理由で手動での計画や操作が必要になった場合でも、「RUTM50」のWi-Fi機能によりシームレスな遠隔操作が可能です。「RUTM50」はトラクター間の通信を容易にすることで、より効率的なフリート管理を可能にします。専用の5G MIMOアンテナを使用することで、この通信を強化することも可能です。
もちろん、スマート農業トラクターのフリートを最も効率よく管理するには、この5GルーターのNTRIPプロトコルサポート機能を活用するのがおすすめです。これによりルーターが、RTKレシーバーを内蔵したトラクターのコントローラーとNTRIPサーバーの間でRTK補正データを中継することができます。その結果トラクターは正確な位置を受信し、農業機械を正確に操縦・制御することができるのです。
どのような仕組みになっているか詳しくご説明いたしましょう。RTK受信機を搭載したトラクターのコントローラーが、NTRIPサーバーにRTK補正を要求します。サーバーはこの要求を処理し、必要なデータを送り返します。その後コントローラーは、これらの補正を使用して正確な位置を決定し表示することで、トラクターが人間の監視なしで畑で効果的に動作できるようになります。
この全体的なIoTシステムのネットワーク通信は、常時維持されることが重要です。よって、中断のないネットワーク通信を確保することが必須となります。このため5Gルーター「RUTM50」には自動フェイルオーバー、バックアップWAN、その他中断のないコネクティビティを確保するための切替シナリオが搭載されています。「RUTM50」は、5Gが完全に対応していない地域でも、4Gとの下位互換性があり、LTE Cat 19に切り替えるだけで、安定したネットワーク通信を確保することができます。
これらの機能がすべて、わずか519グラムのコンパクトで頑丈なアルミニウム製筐体に収められています。この筐体は、振動や―40 °C~75 °Cの極端な温度に対する耐性を備えており、農業のような環境条件に最適です。この5GルーターはDINレールへの取り付けが両側から可能なため、簡単に設置することも可能です。
全体として、「RUTM50」は無人農業トラクターが必要とするネットワーク通信を提供し、スマート農業を明日の競争環境に引き上げるのに役立ちます。
この事例で使われた製品
RUTM50最大3.4Gbpsの超高速通信
自動フェイルオーバーによる中断なしの通信
SA & NSAの両アーキテクチャでの5Gインフラ活用に対応
4G (LTE Cat 19)との互換性あり