概要
✔ 今回の事例で取り上げる「Dedem S.p.A.」社 はイタリアの企業様で、自動フォトブースやエンタメ機器など、国際市場に対応したIoTソリューションを展開しています。
✔ 同社のフォトブースはシングルボードコンピューター(SBC)で制御・管理されており、ユーザーとクラウドベースのOSとを連携しています。そのためスムーズなユーザー体験には高信頼性の通信が不可欠でした。
✔ そこで採用されたのが、テルトニカの4Gルーター「RUT200」。VPNトンネルによる安全な接続やリモート診断が可能な「RMS(リモート・マネジメント・システム)」を併用することでシステム診断や設定等のリモート管理を実行することができるようになりました。
課題 ― シンプルな体験を裏で支える通信インフラ
フォトブースに入って写真を撮り、その場でプリントやデジタルデータが受け取れる ― これが「Dedem」社のフォトブースが提供する洗練されたユーザー体験です。インク残量や紙詰まり、フレームのズレなどを気にする必要もなく、まさに「ユーザー目線で設計された」使い心地です。しかし、その裏側には高度な技術が詰まっています。
フォトブースは、撮影画像の処理、データの送信・保存、写真の出力・配信など同時に複数のタスクを処理しています。さらに、リアルタイムのフィルター適用やブランドオーバーレイなどのネットワークに依存した機能も備えており、すべては安定した通信環境によって支えられています。
これらのシステムをスムーズに運用するは、定期的なソフトウェアアップデート、データプライバシーや写真データのセキュリティ確保なども不可欠です。これらすべての維持・管理は、遠隔からの監視・制御と安定したインターネット接続に大きく依存しています。
「Dedem」社は、これらのフォトブースにシングルボードコンピューター(SBC)を組み込み、これがユーザー操作とクラウドOS間のコマンドを中継しています。
一時的な通信障害はローカルキャッシュで対応できますが、長時間の通信断はユーザー体験や機器の稼働に直接的な影響を及ぼします。そのため、安定した通信を常時確保できる信頼性の高いネットワーク機器の選定が極めて重要となります。
ソリューション ―「 RUT200」が支える「見えない安心感」
「Dedem」社には、フォトブースとクラウド上のシステムサーバーを接続する中核デバイスとして、テルトニカの4Gルーター「RUT200」採用いただきました。
「RUT200」は、テルトニカのベストセラー製品です。その理由は、高い通信安定性にあります。
ネットワーク接続が不安定・頻繁に途切れる等なんらかの問題がある場合、この4Gルーター「RUT200」は検討に値する選択肢です。「RUT200」をRJ45ポートでSBCと接続することで、激しい雨風などの悪条件下でも安定したLTE接続を提供します。遠隔操作で管理するフォトブースには最適なソリューションです。
こうした安定した通信環境により、フォトブースからクラウドへのコマンドはすべて確実に送信・処理され、ユーザーにスムーズな体験を提供できます。しかし、「RUT200」の魅力はそれだけではありません。
「RUT200」は、テルトニカが独自に開発したオペレーティングシステム「RutOS」を搭載しています。「RutOS」により産業用通信プロトコルの使用や、接続設定の柔軟なカスタマイズなど、現場の要件に合わせた高い柔軟性が実現されています。
さらに、「RUT200」は工業グレードのアルミ筐体を採用しており、―40°C〜+75°Cという広い動作温度範囲と10〜90%(非結露)の湿度耐性を備えています。これでさまざまな環境下でも安定した運用が可能です。
このソリューションにおいて、もうひとつ重要なポイントはテルトニカの「RMS(リモート・マネジメント・システム)」です。「Dedem」社はRMSを通じて、各フォトブースへリモートアクセスし、ルーターの状態監視やハードウェア診断・リセット操作を遠隔から実行することができるようになりました。
また、「RMS Connect」や「RMS VPN」機能を活用することで、VPNトンネルを確立し、SBCを含むフォトブース全体を安全に制御・管理することも可能です。
この事例が示すように、 「Dedem」社のスマート・フォトブースは、クラウド管理・遠隔アクセスが可能なシステムとして構築されており、高い稼働率、リアルタイム診断、リモート対応を実現しています。
そして、その根幹を支えているのが、テルトニカの4Gルーター「RUT200」なのです。
この事例で使われた製品
RUT2004G/LTE (Cat 4)、3G、2G
ホットスポット機能付きのワイヤレス・アクセス・ポイント
利用可能なBackup接続に自動切替
遠隔管理、アクセスとVPNサービス