道路工事ディスプレイの安全なリモート操作

概要

高速道路を走行中、「前方で道路工事が行われているため、別の車線に移動してください」と、明るい電光掲示板が目に入ったとします。あなたはその掲示板の指示通り、となりの車線に移動し運転を続けます。しばらくすると右側に道路工事をしている作業員の姿が目に入りました。その瞬間、あなたの頭の中を様々な考えがよぎります。

「あの電光掲示板はいったい誰が取り付けたんだろう？作業員が道路の中に入ってきてあそこに置いたのかな？スピードを出した車が来たら、大変なことになるのでは？あまり安全だとは思えないな…。」

課題

道路工事を知らせる電光掲示板がどのように管理されているか、日常生活で改めて考える機会は少ないかもしれません。しかし実際に工事の安全を担保するためには、様々な問題解決システムが必要なのです。本当に安全性を高めるためには、作業員を走行する自動車からなるべく物理的に遠ざけることが最も大切です。したがって工事を知らせる電光掲示板管理は、できるだけリモートでできることが理想的といえるでしょう。

しかしこれには、技術的な課題が付きものです。リモートアクセスには接続ソリューションが必要ですが、電波というものは、接続しているデバイスが離れれば離れるほど弱くなるものです。つまり作業員が電光掲示板から遠ざかるほど、彼ら自身の安全性は高まるのですが、電光掲示板へのアクセスが弱くなってしまう、ということです。

しかしこの場合、安全性は妥協できるものではありません。テクノロジーというものは、私たちにとってよりシンプルで安全なものであるべきなのです。作業員が電光掲示板とのあいだに安全な距離を保ちつつ、効果的なコネクティビティを確立し、維持するということは可能なのでしょうか？

この事例におけるパートナー様－MCS、EBO van Weel

MCS社は、IoTソリューション、サービス、製品を提供するオランダの企業で、当社テルトニカ・ネットワークスの販売代理店の一つです。コネクティビティの専門技術を用いて、複雑な技術をシンプルにし、人々の生活や仕事を向上させている企業です。

EBO van Weel社は、オランダ発の交通安全のイノベーターで、交通の流れを安全で最適なものにするための高性能アプリケーションと、道路工事現場の安全を確保するシステムを開発しています。さらに、カスタマイズ可能なトラック車体ソリューションのサプライヤーでもあります。

この事例におけるソリューション

オランダのインフラ・水管理省（Ministry of Infrastructure and Water Management）からこの問題に取り組むよう依頼を受けたEBO van Weel社は、革新的な仕組みを考えだしました。500メートル（約3分の1マイル）先から認識可能な、道路作業車両の荷台に取り付ける「フルカラー・ディスプレイ」です。

走行中の車はこのディスプレイのおかげで、道路で工事が行われていることをずいぶん前の時点で知り、車を迂回させることができるのです。また現場作業員は、車両管理システム「Autodrip 2.0」につながるモバイル端末を携帯し、リモート操作でこのディスプレイにアクセスすることができます。

EBO van Weel社はMCS社を通じて、最適なコネクティビティを確保するために当社の産業用4G LTE RUT956と、当社のパートナーであるPoynting社のアンテナPUCK-5を導入しました。RUT956の安定性のある接続とPUCK-5の強化されたシグナルを組み合わせることで、作業員は離れた場所から、道路の危険にさらされるリスクなく、リモートでディスプレイを管理することが可能となりました。