概要
世界の自動販売機市場は58億米ドルを超える規模で、2024年には約70億米ドルまで成長すると見込まれています(MarketWatch調べ)。ライフスタイルの変化により、人々の時間コストに関する意識が高まっています。より手早く・効率的に買い物を済ませたいというニーズが高まり、飲料や食品、日用品などを実店舗ではなく自動販売機で購入する人が増加しているのです。
課題
この巨大な市場規模に参入する企業も増え、自動販売機の設置および保守管理の多様化と効率化が急務となっています。これらの運用には、販売機のプログラミングを担当するエンジニアから、商品の補充を行うスタッフまで、多様な人材が関与します。
そこで企業は、コスト削減を図るとともに、保守作業を改善する新たな手法を模索しています。販売機の在庫を監視するセンサーや、新しい決済手段を導入する企業が増えています。また、デジタルサイネージを搭載した販売機を導入し、広告収入のアップに取り組む企業もあります。
こうした自動販売機システム・スマート化への取り組みには、販売機の運用・保守に使用されるさまざまなスマートデバイスを支えるための、高信頼性で安全なインターネット接続が必須です。
ソリューション
自動販売機ソリューションでは全体の構成要素が1台のデバイスに集約されているため、すべての構成要素をつなぐインターネットの信頼性は最も重要な要素となります。
上記のトポロジーにもあるように、自動販売機には温度・湿度・在庫状況を監視するBluetoothセンサー、広告表示用のデジタルサイネージ、電子決済端末、そして自販機全体を制御するコントローラー等さまざまなスマート機能が搭載されます。
もしインターネットが切断されると、これらの機器は機能しなくなります。
そこで、「RUTX11」のようなプロフェッショナル向けのモバイルルーターを導入することで、自販機に必要なすべての機器を1台のルーターに集約して接続し、さらに通信バックアップ回線まで確保することができます。
「RUTX11」は4G LTE Cat 6対応のデュアルSIM機能で、通信事業者の障害時があっても接続がとぎれません。ここにテルトニカのRMS(リモート・マネジメント・システム)を導入すれば、このソリューション全体を遠隔から監視でき、異常発生時には通知・アラートを受け取ることも可能です。
さらに、「RUTX11」は中央管理センターとのゲートウェイとしても機能します。これでセンターから稼働状況を確認し、在庫の補充タイミングの最適化・効率化を図ることができます。
導入メリット
- 多用途対応 「RUTX11」はBluetoothセンサー、決済端末、デジタルサイネージなど、さまざまな機器と互換性があり、イーサネットおよびWi-Fiインターフェースで柔軟に接続ができます。
- 高信頼性 デュアルSIMによるバックアップ通信が可能で、通信断が許されない電子決済のような環境にも安心です。
- リモートマネジメント 「RMS(リモート・マネジメント・システム)」との互換性により、容易に遠隔からの一括監視・管理ができます。
- セキュリティ ファイアウォールやアクセス制御、複数のVPNプロトコル(OpenVPN、IPsecなど)に対応し、電子決済に求められる高いセキュリティ要件もをクリアします。
テルトニカが選ばれる理由
テルトニカの産業用ルーター「RUTX11」は、センサーやビーコンと簡単に連携できるBluetooth機能と、接続信頼性の最大化を実現するデュアルSIM機能を備えています。そのため自動販売機ソリューションの中でも特に重要な電子決済機能において、バックアップ機能として安定したインターネット接続を提供できるのが特徴です。さらに、「RUTX11」には、専門知識がなくても扱いやすい、テルトニカの高機能オペレーティングシステム「RutOS」が搭載されており、自動販売機の導入を容易かつスケーラブルに展開可能です。
この事例で使われた製品
RUTX11キャリア・アグリゲーションによりセルラー通信速度が最大300Mbps
自動フェイルオーバー、バックアップWANとその他の切り替えシナリオ
Wave-2 802.11acデュアルバンドWI-FIおよびBluetooth LE
ギガビット・イーサネットポート×4、最大128ポート/タグベースVLAN対応