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スマート工場に最適なネットワークの条件とおすすめ機器

#5g, #iot

July 22, 2024

現在、日本においてスマート工場(スマートファクトリー)が増加しています。スマート工場とは何かという基本から、工場のスマート化が増えている理由、そしてスマート工場のネットワーク構築方法や事例まで、まるっと解説いたします。

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スマート工場とは

スマート工場(スマートファクトリー)とはAIやIoTなどのデジタル技術を駆使して生産/管理を行う工場のことです。従来の工場は、豊富な経験をもつ担当者やベテラン技術者の手作業によって運営され、技術が伝承されてきました。しかし、人的リソースに頼るのみでは、工場内における生産性の向上や情報管理の効率化に限界があります。その限界を超え、工場運営に新たな可能性をもたらすのがスマート工場です。

2011年にドイツが発表した産業政策「インダストリー4.0」は、スマート工場の概念を的確に表しています。インダストリー4.0は、下記四つの基本原則からなります。

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  • 相互運用性:モノのインターネット (IoT) またはヒトのインターネット (IoH) を介して、機械、デバイス、センサーおよび作業者が相互に接続し通信を行うこと。


  • 情報透明性:相互運用性により、製造工程のあらゆる段階から膨大な量のデータや情報を収集し、それを可視化することで業務の改善・改革を図ること。


  • 技術的補助:工場内で働く人材が迅速に意思決定するために役立つ、情報やシステムを確立すること。また危険な作業や重労働をロボットや機械が肩代わりして、作業者の肉体的な負担を減らすこと。


  • 分散型決定:ロボットや機械が可能な限り自律的に意思決定をし業務を実行することで、工場内での作業者の負担を減らすこと。


この「インダストリー4.0」の四つの基本原則を具現化したものがスマート工場です。工場のスマート化によって、生産品の品質向上、コストの削減、生産性の向上、人材不足など、従来の工場が抱える様々な課題を克服することができます。これらのメリットから、実際に様々な企業がすでにスマート工場を導入・運用しています。特に現代の日本において、工場のスマート化はもはや「必須」であるといっても過言ではありません。なぜなのでしょうか?

スマート工場が日本に必要な理由

1.まったなしの人手不足

現在国内では、少子高齢化に伴う労働人口減少や、労働規制の強化による人手不足の深刻化に伴い、業界を問わず人材確保が大変難しくなっています。経済産業省による「2024ものづくり白書」によると、製造業の中小企業における従業員数の過不足状況(従業員数過不足DI(*))は、2024年第1四半期にマイナス18.9となっており、人手不足がデータに表れています。

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この人手不足は、新型コロナ禍での特殊な事情をのぞけば2010年ごろから徐々に悪化していることにも注目です。今後、この状況が自然に改善していくとは考えにくく、製造業では人手不足を前提としてどう工場を運営していくか、がカギとなるでしょう。この点でスマート工場は「救世主」といえるのではないでしょうか。

 

(*)従業員数過不足DIとは、今期の従業員数が「過剰」と答えた企業の割合(%)から、「不足」 と答えた企業の割合(%)を引いたもの。


2.製造業の国内回帰

 

製造業の国内回帰とは、日本のメーカーが海外に展開していた工場を日本に戻すことを指し、この傾向が近年高まりつつあります。もともと日本が海外に工場を置くようになった最大の理由は、人件費や施設建設/管理等のコストの安さでした。また、製品やサービスを海外市場へ輸出するにあたり、現地に工場を建てて生産するほうが、輸送費や貿易制限措置などのコスト削減にもなります。よって、日本の製造業は1980年代後半からアメリカやヨーロッパへ、1990年代には他のアジア圏に生産拠点を移してきました。

 

しかし、時代は移り変わるものです。新型コロナ禍で露呈(ろてい)した海外生産の脆弱性や、米中貿易摩擦による地政学的リスク、さらに未曽有(みぞう)の円安に起因する海外生産コストの増加により、生産拠点を日本国内に戻すことを検討する日本企業が増えているのです。しかしどの企業もここでぶつかるのが、やはり労働力不足という課題です。

 

さらに近年、外資企業による日本国内への投資も増えています。製造業における海外からの投資で、今年大きな話題となったのが半導体受託生産の世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の第1工場が熊本県に設立されたニュースです。第1工場だけで1300という大きな雇用を生み出すことになりました。地元経済の活性化に期待が集まると同時に、周りの企業にとっては、労働者不足がさらに加速するのではないか、という懸念が高まっているのも事実です。

 

いずれにせよ、日本の製造における労働力不足は深刻な事態となっており、近い将来にこの課題が自然に解決する要素は「ゼロ」であるといえるでしょう。このことから製造業における工場のスマート化がさらに加速すると考えられます。


スマート工場構築に関する課題


さて、日本の製造業において工場のスマート化が必須の課題であることがわかりました。業界にかかわらず「スマート化」には安心安全なネットワーク接続がマストです。しかし、スマート工場の構築にあたっては、工場という特殊な環境でのネットワークの構築が必要であり、特有の課題があります。


例えば、従来工場はネットワークの共有を前提として建設されてはいません。こうした中、スマート化にあたって、機器接続数/種類、使用データ容量が大幅に増加するとともに、ネットワークの利用形態も移動しながら使うようなものも増えており、一部のネットワーク環境に大きな負荷がかかることが予想されます。これによってシステムが停止してしまうなどトラブルが起きると、業務に甚大な影響を及ぼします。したがって、コストを抑えながらも信頼性の高いネットワーク通信を導入する必要があります。


また、倉庫はたいてい広いものですから、広範囲をカバーできるネットワークが重要です。セキュリティの課題もあります。工場はサイバーセキュリティ対策に力を入れていない場合が多く、スマート化によって多数の機器が外部のネットワークと接続されれば、たちまちサイバー攻撃のリスクにさらされることになります。


さらに、工場内は気温や湿度の極端な高低、また衝撃や振動などの過酷な条件にさらされる場合が多いでしょう。そのため、ネットワーク機器には高い耐久性が求めらるのもポイントです。

スマート工場のネットワークソリューション(事例)

ネットワーク構築に関する工場特有の課題は、適切なネットワーク機器の選定によって解決可能です。ここで、工場のスマート化に成功した事例を二つご紹介いたします。

倉庫の自律走行ロボットの自動化

まずは、倉庫内の自律走行ロボットの自動化に成功した例です。世界的に倉庫の業務プロセスの自動化をすすめる企業が増えています。特に、物流における「2024年問題」に揺れる日本においては、「輸送のパレット化」「ロボット等を導入した倉庫の自動化」は、避けて通れません。

この事例において、広い倉庫内でロボットや機械をスムーズに機能させるために、信頼性の高いネットワーク通信技術が必要です。広い倉庫内には、インターネットシグナルが届きにくい場所があります。また倉庫内に設置される一般的な金属棚は、電磁波を吸収しやすく、インターネット接続の障害となる可能性がありました。

これらの課題に関して、IoTネットワーク機器の製造販売を手掛けるテルトニカ社では、産業用4G LTEルーター「RUTX10」と「RMS(リモート・マネジメント・システム)」を使用し、統合システムを構築。さらにメッシュWi-Fi、および当社のリモート管理システムである「RMS Management」と「RMS Connect」によって、信頼性のあるコネクティビティを確立することができました。この事例に関する詳細はコチラ、または下図右のトポロジをクリックしてご覧ください。

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包装工場ラインの自動化

包装工場ラインの工場や倉庫はたいてい、ネットワーク接続環境のあまりよくない郊外等に建設されるものです。そこに有線接続やネットワークデバイスを増やすなどの対策をとると、コストがかかるうえに維持するのも大変ですし、潜在的にセキュリティ上の脆弱性を抱えることにもなります。

代わりにモバイル通信機能のある5Gルーターを導入するのはどうでしょうか?テルトニカ社の産業用5Gルーター「RUTM50」は最大3.4Gbpsの超高速モバイルデータ通信が可能で、デュアルSIMや5G SA &NSAのどちらにも対応できる機能が付いており、工場内に信頼性の高いネットワークを構築することができます。

この「RUTM50」を使った包装工場ラインの自動化の事例についてはコチラ、または下図右のトポロジをクリックしてご覧ください。     

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スマート工場のネットワーク機器ならテルトニカ

産業用IoTのネットワーク機器の世界市場で、トップ3にはいるメーカーであるテルトニカ・ネットワークスは、様々な産業用ネットワーク接続デバイスを製造・販売しています。スマート工場に適したネットワーク機器のラインナップも非常に充実しており、お客様のニーズに合わせた製品のご紹介が可能です。(技適承認済み/承認申請中の製品がございます)

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当社のネットワーク機器は筐体がアルミニウム製で、非常に堅牢です。温度耐性の幅も―40℃~75℃と大変広く、スマート工場はもちろんどんな産業用途にも安心してご利用いただけます。

 

当社は創業がリトアニアですが、いまでは世界22カ国において30以上のオフィスを構え、当社製品は180カ国以上でご利用いただいております。またつい先日、日本の東京オフィスも本格的に始動し、今後さらに日本のお客様によりそったサービスを展開していく予定でございます。つい先日は、当社日本初となる産業用5Gルーター「RUTM50」の販売も開始し、多くのお問い合わせをいただいております。

 

もし当社の製品やサービスに関してご不明点やご質問がございましたら、ぜひ下記の「お問い合わせ」からお気軽にご連絡いただければ幸いです。

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