可動式農業機械を効率的に運用するためのIoT施策

概要

✔「Agrifac」社－オランダを拠点とする農薬散布機メーカーで、「生産者のための4E（*1）」コンセプトに基づくスマートで持続可能な農業ソリューションの最先端をいく企業様です。

✔「Capestone」 社は、モバイル・インターネット・ソリューション／IoT ネットワーク／クリティカル・コミュニケーションに関する製品の販売代理店で、世界中の通信・IT 販売代理店、システム・インテグレーター、サービス・プロバイダー、メーカー等にソリューションをご提供されています。

✔上記二社による共同ソリューションにおいて、テルトニカ・ネットワークス社の産業用ルーター「RUT956」を組み込むことで、「Agrifac」社の移動機器に安定した接続およびGNSS（GPS）機能をご提供することができました。「RUT956」は、制御／セキュリティ／信頼性を担保するさまざまな機能を備えております。

✔「RUT956」は厳しい産業環境への耐久性を考えて設計されており、農作物の栽培において環境や気象条件がどのようなものであっても心配する必要はありません。

(*1) 4EとはEfficiency（効率性）、Economy（経済性）、 Ecology（生態学） 及びErgonomics（人間工学） のこと。

課題 ― 広大な地形と移り変わる天候

世界の人口はいま80億人を超えており、農業市場は非常に巨大なマーケットになっています。2022年、年平均成長率9.4%で122億4,000万ドルから133億9,000万ドルに成長したこの市場は、2027年には190億ドルに達すると予測されています。これらの数字の背景には様々な要因がありますが、とくにインテリジェント農業の台頭が大きいといえるでしょう。インテリジェント農業とはIoTと自動化ツールを活用してリアルタイムのデータを収集・分析することで、農業の効率を最大化していくことです。

インテリジェント農業市場では、効率性と持続可能性の両面からIoTの需要が高まっていますが、その導入には距離という大きなハードルを乗り越える必要があります。2020年には、世界全体で4,738万平方キロメートルもの土地が農業に利用されているといわれています。その大部分は、移動をともなう農業機器が常に稼働しているような広大な空き地。これは信頼性の高いインターネット接続を導入するのに最適な条件とは言い難いところです。しかしリモート接続がなければ、自動化やリアルタイムのデータ取得ができないのも事実です。

「Agrifac」社は、自動の農薬散布機を開発する際にこの問題に直面しました。このケースに適した接続デバイスが必要であることは明白でした。さらにこのデバイスは、使用先での様々な地形や気象条件にも耐えることができる、というのが条件でした。幸運なことにテルトニカ・ネットワークスの接続デバイスが、これらの条件をすべて満たすものだったのです。

トポロジー

ソリューション ― 高性能で耐久性のある接続デバイス

「Agrifac」社は「Capestone」社の協力のもと、当社の産業用4G LTE ルーター「RUT956」をそれぞれの農薬散布機に設置しました。さらにニーズに的確に対応するため、「Capestone」社はカスタマイズ設定を導入。「RUT956」のイーサネット通信で移動式機器にネットワークを提供し、「Agrifac」社のクラウドサーバーへの安心安全なモバイルデータ通信ブリッジを構築しました。「RUT956」には堅牢なLTE Cat 4接続および信頼性を高めるデュアルSIM機能が搭載されていますが、その他にも注目したい様々な特徴を持っています。

例えば「RUT956」には、位置情報サービスと時刻同期用のGNSS（GPS）機能が備わっています。これは「Agrifac」社の産業用機械のような、移動をともなう機器にとってたいへん重要な機能です。さらに、「RUT956」の外観はプラスチックパネル付きの頑丈なアルミ製筐体で製造されており、農業における環境／天候などの変化に影響されないため、安心してご使用いただけます。

最後に、「RUT956」には制御のしやすさ、安全性、信頼性を高めるための追加機能がございます。「Agrifac」社の場合は、モバイルモジュールおよびFOTA機能をおおいにご活用いただいていると共に、現ソリューションをさらにアップグレードするために、MQTTブローカーおよび当社のRMS（リモート・マネジメント・システム）将来的な使用を検討されております。